10月の失業率4.2%、過去最低記録に並ぶ

不完全就業率11.7%(前年同月14.2%)

2023/12/09

   フィリピン統計庁(PSA)は、12月7日、2023年10月の労働力調査(LFS)速報を発表した。それによると、2023年10月の15歳以上の失業率は4.2%(速報値)で、前月(4.5%)から0.3%ポイント低下し、前年11月(4.2%)以来11カ月ぶりの低水準となった。そして、2005年4月に現行集計基準を採用してからの最低記録に並んだ。2023年10カ月間の平均失業率は4.6%となった。

 2023年10月の15歳以上の人口は前年同月比(以下同様)1.5%増の7,802万人。労働参加率は63.9%と、前年同月及び前月(64.1%)から低下した。

 失業者数は6.7%減の209万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の37.5%、25歳-34歳が34.5%と合計で全体の72.0%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は32.5%(卒業者は25.1%)、大学進学・卒業者が41.7%(卒業者は30.9%)だった。性別では、男性58.9%、女性41.1%と男性が上回っている。

 就業者数は1.6%増の4,780万人。業種別では、農業部門が22.2%(前年同月22.5%)、鉱工業部門が17.8%(同18.4%)、サービス部門が60.1%(同59.1%)だった。サブセクターで、年間増加率の高かった上位3業種は、宿泊・飲食サービス業、管理・支援サービス業、輸送・倉庫(保管)業。減少率が最も髙かった上位3業種は、卸売・小売業、自動車及びオートバイの修理、鉱業・採石業、製造業。

 賃金労働者が就業者全体の63.1%を占め、その49.6%が民間企業労働者、9.0%が政府系企業社員・公務員。自営・事業主は全体の30.4%を占めた。週平均労働時間は41.2時間(前年同月40.2時間)。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の68.7%(同65.2%)。

 一方、不完全就業者(職に就いているが調査期間中に働いていなかったり、労働時間が報告されていない就業者を含む)の数は16.0%減の560万人、不完全就業率は11.7%で前年同月の14.2%から大幅低下した。ただ、現行集計基準での最低であった前月の10.7%からは上昇した、なお、不完全就労者全体の57.7%が労働時間週40時間以下だった。

 
フィリピンの失業率等の比較(単位:%)
全国 労働参加率 失業率 不完全就業率
2019年 61.3 5.1 13.8
2020年 59.5 10.3 16.2
2021年 63.3 7.8 15.9
2022年 64.7 5.4 14.2
 
2022年10月 64.1 4.5 14.2
11月 67.5 4.2 14.4
12月 66.4 4.3 12.6
2023年 1月 64.5 4.8 14.1
2月 66.6 4.8 12.9
3月 66.0 4.7 11.2
4月 65.1 4.5 12.9
5月 65.3 4.3 11.7
6月 66.1 4.5 12.0
7月 60.1 4.8 15.9
8月 64.7 4.4 11.7
9月 64.1 4.5 10.7
10月 63.9 4.2 11.7
10カ月間平均 64.7 4.6 12.5
(出所:PSA資料より作成、2022年11月以降全て速報値)