ADBの比成長率予想、ASEANで最高の伸び率に
23年5.7%、24年6.2%:アジア経済見通し23年12月版
2023/12/14
アジア開発銀行(ADB)は、12月13日に発表した『アジア経済見通し(ADO)2023年12月版』において、中国とインドの堅調な内需が予想を上回る成長をけん引したことを受け、アジア・太平洋地域の開発途上国の経済成長予想を、9月時点での見通しの4.7%を上回る4.9%と上方修正した。
中国の今年の経済見通しは、第3四半期の家計消費と公共投資が成長率の押し上げ要因となり、前回予想の4.9%から5.2%に上方修正された。インドの成長予想は、7-9月期に予測を上回るペースで拡大したことが背景となり、6.3%から6.7%に引き上げられた。中国とインドの成長率の上方修正は、製造業の不振に起因する東南アジアの予想の引き下げを相殺した。東南アジアの2023年の成長率予想は9月時点の4.6%から4.3%、2024年予想も同じく4.8%から4.7%へと下方修正された。
ADBは、「アジア開発途上国は、厳しい国際情勢にも関わらず、堅調なペースで成長を続けている。域内のインフレも徐々に抑制されつつある。しかし、世界的な金利上昇やエルニーニョのような気象事象など、リスクは依然として残っている。アジア・太平洋地域の各国政府は、自国の経済がショックに強靭で、成長が持続可能であることを確実にするために、引き続き警戒する必要がある」とコメントしている。
フィリピンGDP実質成長率予想に関しては、2023年が5.7%、2024年が6.2%で、9月時点の予想が据え置かれた。両年ともにフィリピン政府の成長率目標を下回るが、ASEAN主要国のなかでは両年ともに最高の伸び率と予想されている。ちなみに、ベトナムの成長率予想は2023年が5.2%(5.8%から大幅下方修正)、2024年が6.0%で両年ともにフィリピンに次ぐ2位となっている。フィリピンのインフレ率予想は2023年が6.2%、2024年が4.0%でいずれも9月時点の予想が据え置かれた。
東南アジア等の実質GDP成長率推移(単位:%、予想は23年12月時点のアジア開発銀行)
(出所:アジア開発銀行資料より作成)
中国の今年の経済見通しは、第3四半期の家計消費と公共投資が成長率の押し上げ要因となり、前回予想の4.9%から5.2%に上方修正された。インドの成長予想は、7-9月期に予測を上回るペースで拡大したことが背景となり、6.3%から6.7%に引き上げられた。中国とインドの成長率の上方修正は、製造業の不振に起因する東南アジアの予想の引き下げを相殺した。東南アジアの2023年の成長率予想は9月時点の4.6%から4.3%、2024年予想も同じく4.8%から4.7%へと下方修正された。
ADBは、「アジア開発途上国は、厳しい国際情勢にも関わらず、堅調なペースで成長を続けている。域内のインフレも徐々に抑制されつつある。しかし、世界的な金利上昇やエルニーニョのような気象事象など、リスクは依然として残っている。アジア・太平洋地域の各国政府は、自国の経済がショックに強靭で、成長が持続可能であることを確実にするために、引き続き警戒する必要がある」とコメントしている。
フィリピンGDP実質成長率予想に関しては、2023年が5.7%、2024年が6.2%で、9月時点の予想が据え置かれた。両年ともにフィリピン政府の成長率目標を下回るが、ASEAN主要国のなかでは両年ともに最高の伸び率と予想されている。ちなみに、ベトナムの成長率予想は2023年が5.2%(5.8%から大幅下方修正)、2024年が6.0%で両年ともにフィリピンに次ぐ2位となっている。フィリピンのインフレ率予想は2023年が6.2%、2024年が4.0%でいずれも9月時点の予想が据え置かれた。
東南アジア等の実質GDP成長率推移(単位:%、予想は23年12月時点のアジア開発銀行)
国・地域 | 2022年 | 2023年予 | 2024年予 |
アジア開発途上国 | 4.3 | 4.9 | 4.8 |
東南アジア | 5.6 | 4.3 | 4.7 |
フィリピン | 7.6 | 5.7 | 6.2 |
インドネシア | 5.3 | 5.0 | 5.0 |
マレーシア | 8.7 | 4.2 | 4.6 |
シンガポール | 3.6 | 1.0 | 2.5 |
タイ | 2.6 | 2.5 | 3.3 |
ベトナム | 8.0 | 5.2 | 6.0 |
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