中央銀行、14日の金融会合で金利据え置きを決定

リバース・レポ金利目標6.50%を継続、次期会合は2月予定

2023/12/15

   12月14日に開催された2023年最後(8回目)のフィリピン中央銀行(BSP)金融委員会(MB)定期政策会合において、政策金利体系の据え置きが決定された。

 すなわち、主要政策金利であるリバース・レポ(RRP)金利目標6.50%を中心とする6.00%~7.00%というコリドーが継続されることとなった。前回(11月16日)に続き2会合連続での据え置きとなった。10月26日の臨時会合で0.25%の緊急利上げが実施されたことで、2022年5月から約1年半に亘る継続的な利上げにより、RRPは現行コリドーの下での最低であった2.0%から合計4.50%の上昇となっている。11月の総合インフレ率が4.1%と前月の4.9%から一段と鈍化し20カ月ぶりの低水準となったこと、コアインフレ率も4.7%と前月の5.3%から減速など、これまでの金融引き締めの効果が顕在化していることで追加利上げには至らなかった。

 ただし、交通運賃値上げや電力料金の値上がり傾向、原油価格の再上昇懸念、予想を上回る各地での最低賃金の引き上げなどインフレ上振れリスクは少なくない。また、中期的な経済成長見通しは依然として堅調であり、持続的な個人消費と労働市場状況の改善により第4四半期の強い需要が見込まれている。したがって、金融委員会はインフレの持続的な下降トレンドが完全に明らかになるまで、引き締めスタンスを継続する必要があると考えている。今後発表されるデータに基づき、物価安定という使命に沿って、インフレ率を目標圏内に誘導するため、必要に応じて金融引き締めを再開する用意があるとも表明している。

 なお、フィリピン中央銀行は(BSP)は、現在、年8回の金融委員会(MB)政策定例会合を開催している。原則、1月、4月、7月、10月は開催されない。2023年のMB定期政策会合は、2月16日、3月23日、5月18日、6月22日、8月17日、9月21日、11月16日、12月14日に開催された。金利など重要金融政策は通常はMB定期政策会合で決定されるが、急を要する場合は、上記のように臨時会合で決定されることもある。