比は世界第4位の送金受領国、今年5%増の400億ドルに
合計3.8%増の6,690億ドル、1位インド1,250億ドル:世界銀行調査
2023/12/20
世界銀行は、12月18日、2023年版「移住と開発報告書」を発表した。それによると、2023年の低・中所得国への送金額は前年比(以下同様)3.8%増の6,690億米ドルに達すると見込まれるが、前年比増加率は2021年の10.2%増、2022年の5.0%増からは大幅に鈍化する。
過去2年間は、新型コロナパンデミックで苦しむ故郷の家族支援などで送金伸び率は高水準であった。2023年はその反動と、世界的な高インフレと経済成長率鈍化による送金余力伸び悩みで伸び率が鈍化した。2024年の伸び率は3.1%へと更に鈍化見込み、移民の実質所得が減少するリスクである。
2023年の地域別送金受領額伸び率は、中南米・カリブ海地域が8%、南アジアが7.2%、東アジア・太平洋地域が3%、サハラ以南アフリカ1.9%であった。中東・北アフリカは5.3%減で2年連続のマイナス、欧州・中央アジアは2022年の18%超の高い伸びの反動で1.4%減少と見られる。東アジア・太平洋地域は中国の受領額が伸び悩んだが、フィリピンの堅調な受領額に支えられ3%増の1,330億ドルに達した。
2023年の送金受領国トップ5は、インド(1,250億ドル)、メキシコ(670億ドル)、中国(500億ドル)、フィリピン(400億ドル)、エジプト(240億ドル)となっている。送金受領額対が国内総生産(GDP)比率上位は、タジキスタン(48%)、トンガ(41%)、サモア(32%)、レバノン(28%)、ニカラグア(27%)である。フィリピンは前年比では5.3%増となり、2021年の5.1%増に続いて堅調と見られている。
なお、フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2023年10カ月間の包括的海外在住フィリピン人(OF)の本国送金額(速報値)は前年同期比2.9%増の305億6,900万米ドル。いずれにしても、海外フィリピン人からの本国送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源である。
包括的OF送金額 (単位:百万米ドル、対前年同期伸び率:%)
(出所:BSP資料より作成、2022-23年は速報値)
過去2年間は、新型コロナパンデミックで苦しむ故郷の家族支援などで送金伸び率は高水準であった。2023年はその反動と、世界的な高インフレと経済成長率鈍化による送金余力伸び悩みで伸び率が鈍化した。2024年の伸び率は3.1%へと更に鈍化見込み、移民の実質所得が減少するリスクである。
2023年の地域別送金受領額伸び率は、中南米・カリブ海地域が8%、南アジアが7.2%、東アジア・太平洋地域が3%、サハラ以南アフリカ1.9%であった。中東・北アフリカは5.3%減で2年連続のマイナス、欧州・中央アジアは2022年の18%超の高い伸びの反動で1.4%減少と見られる。東アジア・太平洋地域は中国の受領額が伸び悩んだが、フィリピンの堅調な受領額に支えられ3%増の1,330億ドルに達した。
2023年の送金受領国トップ5は、インド(1,250億ドル)、メキシコ(670億ドル)、中国(500億ドル)、フィリピン(400億ドル)、エジプト(240億ドル)となっている。送金受領額対が国内総生産(GDP)比率上位は、タジキスタン(48%)、トンガ(41%)、サモア(32%)、レバノン(28%)、ニカラグア(27%)である。フィリピンは前年比では5.3%増となり、2021年の5.1%増に続いて堅調と見られている。
なお、フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2023年10カ月間の包括的海外在住フィリピン人(OF)の本国送金額(速報値)は前年同期比2.9%増の305億6,900万米ドル。いずれにしても、海外フィリピン人からの本国送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源である。
包括的OF送金額 (単位:百万米ドル、対前年同期伸び率:%)
項目 | 年間推移 | 1月-10月 | |||||
年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2022年 | 2023年 |
送金額 | 32,213 | 33,467 | 33,194 | 34,884 | 36,136 | 29,718 | 30,569 |
伸び率 | 3.0 | 3.9 | -0.8 | 5.1 | 3.6 | 3.1 | 2.9 |