住宅価格12.9%上昇、第3四半期は3期連続の二桁上昇
一戸建て17%上昇、コンドミニアム8%上昇:中央銀行調査
2024/01/03
フィリピン中央銀行(BSP)は12月29日、2023年第3四半期(7月~9月)の住宅の不動産価格指数(RREPI)を発表した。
[2023年第3四半期の住宅不動産価格指数(RREPI)の動向]
RREPIデータに基づくと、2023年第3四半期の全国の新築住宅の不動産価格は前年同期比で12.9%上昇、前四半期比で3.4%上昇したが、年間上昇率のペースは前四半期(14.1%)から若干減速したが3四半期連続での二桁上昇となった。地域別では、首都圏が前年同期比12.3%上昇、前四半期比11.5%上昇。その他地域(地方)は前年同期比14.3%上昇、前四半期比0.1%上昇となった。
全国の住宅タイプ別不動産価格は、一戸建て、二世帯住宅、タウンハウス、コンドミニアム全てで上昇した。上昇率の髙い順に、二世帯(57.7%)、一戸建て(16.8%)、タウンハウス(9.3%)、コンドミニアム(8.3%)。
フィリピン住宅不動産価格指数の上昇率推移 (2014年第1四半期=100)
(出所:BSP資料より作成、全て改訂値)
注:アパートに関する指数は無。二世帯住宅は報告された不動産融資件数が比較的少ないため、変動的である。
[2023年第3四半期の住宅融資(RREL)の概要]
全国レベルでの今期の住宅向け融資(住宅ローン)利用件数は前年同期比6.0%増の1万0,319件。地域別では、マニラ首都圏が同9.3%減の3,277件、地方が同15.0%増の7,042件だった。
1万0,319件の76.2%に当たる7,858件が新築住宅購入で、利用件数は前年同期から1.8%減少した。地域別では、マニラ首都圏が前年同期比11.9%減の2,866件、地方が同5.1%増の4,992件。
種類別では、一戸建住宅の購入が48.2%と最も多く、次いでコンドミニアムが36.3%、タウンハウスが15.0%、二世帯住宅が0.4%と続いている。地域別では、カラバルソンが住宅ローン利用全体の32.2%を占めて首位、次いで首都圏の31.8%(大部分はコンドミニアムの購入用)、中央ルソン12.3%、西ビサヤ6.1%、中央ビサヤ5.8%、ダバオ3.4%、カガヤン2.0%。首都圏とこれら6地域で銀行が融資する住宅ローン全体の93.6%を占めた。
全国の新築住宅の1平米当たり平均評価額は前年同期比9.0%増の9万2,168ペソ。マニラ首都圏は同12.4%増の15万6,530ペソ。地方は同17.1%増の5万5,202ペソだった。
新築住宅ローン件数の変化
(出所:BSP資料より作成)
[中央銀行の住宅の不動産価格指数(RREPI)について]
RREPIは、各金融機関の新築住宅購入向け融資のデータなどに基づいた、様々なタイプの住宅価格における平均変動の一つの尺度である。不動産市場や金融市場の動向を分析・把握する上で有益な手段を提供する。BSPは、2015年11月16日の回覧892号で、国内全ての商業銀行(拡大商業銀行含)、貯蓄銀行に住宅融資に関する四半期報告書の提出を義務付け、2016年6月から新築住宅の不動産価格指数の公表を開始した。
[2023年第3四半期の住宅不動産価格指数(RREPI)の動向]
RREPIデータに基づくと、2023年第3四半期の全国の新築住宅の不動産価格は前年同期比で12.9%上昇、前四半期比で3.4%上昇したが、年間上昇率のペースは前四半期(14.1%)から若干減速したが3四半期連続での二桁上昇となった。地域別では、首都圏が前年同期比12.3%上昇、前四半期比11.5%上昇。その他地域(地方)は前年同期比14.3%上昇、前四半期比0.1%上昇となった。
全国の住宅タイプ別不動産価格は、一戸建て、二世帯住宅、タウンハウス、コンドミニアム全てで上昇した。上昇率の髙い順に、二世帯(57.7%)、一戸建て(16.8%)、タウンハウス(9.3%)、コンドミニアム(8.3%)。
フィリピン住宅不動産価格指数の上昇率推移 (2014年第1四半期=100)
年・時期 | 2021年 | 2022年 | 23年 | ||||||
Q3 | Q4 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | Q1 | Q2 | Q3 | |
全国 | |||||||||
前年同期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 6.3 | 4.9 | 5.7 | 2.6 | 6.5 | 7.7 | 10.2 | 14.1 | 12.9 |
一戸建住宅 | -4.2 | -1.1 | -2.3 | 0.8 | 9.8 | 10.0 | 17.0 | 18.3 | 16.8 |
二世帯住宅 | -0.2 | -10.2 | 18.3 | 11.3 | 26.7 | 42.9 | 22.1 | 24.6 | 57.7 |
タウンハウス | 37.1 | 22.6 | 25.7 | 4.1 | -16.3 | -6.8 | 1.8 | 14.7 | 9.3 |
コンドミニアム | 13.6 | 10.4 | 14.5 | 8.6 | 19.2 | 12.9 | 1.2 | 5.0 | 8.3 |
前四半期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 0.7 | 1.1 | -0.9 | 1.6 | 4.6 | 2.2 | 1.4 | 5.3 | 3.4 |
一戸建住宅 | -5.7 | 3.0 | -1.6 | 5.5 | 2.7 | 3.2 | 4.7 | 6.7 | 1.4 |
二世帯住宅 | -9.3 | 22.0 | -2.1 | 2.7 | 3.4 | 37.6 | -16.4 | 4.8 | 30.8 |
タウンハウス | 21.7 | -2.1 | -5.0 | -8.0 | -2.1 | 8.9 | 3.8 | 3.7 | -6.7 |
コンドミニアム | 2.0 | 0.5 | 5.8 | 0.1 | 12.0 | -4.9 | -5.1 | 3.8 | 15.6 |
首都圏(NCR) | |||||||||
前年同期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 11.4 | 5.0 | 9.7 | 6.3 | 17.5 | 16.1 | 7.3 | 15.4 | 12.3 |
一戸建住宅 | -8.8 | -4.3 | -6.1 | -7.8 | 17.9 | 18.0 | 26.2 | 54.1 | 29.6 |
二世帯住宅 | - | -4.7 | -5.6 | - | - | 25.9 | 70.8 | - | - |
タウンハウス | 26.4 | 1.9 | 6.5 | 15.2 | -7.8 | 8.5 | 13.1 | 21.3 | 0.4 |
コンドミニアム | 13.4 | 7.8 | 15.1 | 8.4 | 24.0 | 15.9 | -0.8 | 3.7 | 8.6 |
前四半期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 3.7 | -1.2 | 3.6 | 0.2 | 14.6 | -2.4 | -4.3 | 7.7 | 11.5 |
一戸建住宅 | -8.4 | 4.0 | -5.7 | 2.7 | 17.1 | 4.1 | 0.9 | 25.3 | -1.5 |
二世帯住宅 | - | - | -40.5 | 26.4 | - | - | -19.4 | - | - |
タウンハウス | 34.8 | -11.6 | -3.5 | 0.1 | 7.9 | 4.1 | 0.6 | 7.3 | -10.6 |
コンドミニアム | 1.0 | -0.5 | 8.6 | -0.7 | 15.5 | -6.9 | -7.1 | 3.7 | 21.0 |
地方 | |||||||||
前年同期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 4.9 | 5.1 | 5.1 | 2.2 | 2.3 | 4.5 | 11.4 | 13.8 | 14.3 |
一戸建住宅 | -3.8 | -0.8 | -1.9 | 2.0 | 8.5 | 8.8 | 15.6 | 14.7 | 15.7 |
二世帯住宅 | 13.8 | -6.7 | 23.2 | 13.4 | 29.4 | 46.4 | 19.4 | 24.5 | 54.5 |
タウンハウス | 46.2 | 34.4 | 37.0 | -0.6 | -20.2 | -12.1 | -2.7 | 11.8 | 12.3 |
コンドミニアム | 13.2 | 19.9 | 14.1 | 10.1 | 5.6 | 3.9 | 6.6 | 8.6 | 8.7 |
前四半期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | -0.4 | 2.6 | -2.0 | 2.2 | -0.4 | 4.8 | 4.4 | 4.4 | 0.1 |
一戸建住宅 | -5.3 | 2.9 | -1.1 | 5.8 | 0.8 | 3.1 | 5.1 | 5.0 | 1.7 |
二世帯住宅 | -9.3 | 20.8 | 2.9 | 0.6 | 3.4 | 36.6 | -16.1 | 5.0 | 28.3 |
タウンハウス | 17.0 | 0.5 | -5.5 | -10.5 | -6.1 | 10.7 | 4.6 | 2.8 | -5.6 |
コンドミニアム | 5.3 | 3.8 | -1.5 | 2.2 | 1.0 | 2.2 | 1.1 | 4.1 | 1.0 |
注:アパートに関する指数は無。二世帯住宅は報告された不動産融資件数が比較的少ないため、変動的である。
[2023年第3四半期の住宅融資(RREL)の概要]
全国レベルでの今期の住宅向け融資(住宅ローン)利用件数は前年同期比6.0%増の1万0,319件。地域別では、マニラ首都圏が同9.3%減の3,277件、地方が同15.0%増の7,042件だった。
1万0,319件の76.2%に当たる7,858件が新築住宅購入で、利用件数は前年同期から1.8%減少した。地域別では、マニラ首都圏が前年同期比11.9%減の2,866件、地方が同5.1%増の4,992件。
種類別では、一戸建住宅の購入が48.2%と最も多く、次いでコンドミニアムが36.3%、タウンハウスが15.0%、二世帯住宅が0.4%と続いている。地域別では、カラバルソンが住宅ローン利用全体の32.2%を占めて首位、次いで首都圏の31.8%(大部分はコンドミニアムの購入用)、中央ルソン12.3%、西ビサヤ6.1%、中央ビサヤ5.8%、ダバオ3.4%、カガヤン2.0%。首都圏とこれら6地域で銀行が融資する住宅ローン全体の93.6%を占めた。
全国の新築住宅の1平米当たり平均評価額は前年同期比9.0%増の9万2,168ペソ。マニラ首都圏は同12.4%増の15万6,530ペソ。地方は同17.1%増の5万5,202ペソだった。
新築住宅ローン件数の変化
地域 | 前年同期比増減率(%) | 前四半期比増減率(%) | ||||
22年Q3 | 23年Q2 | 23年Q3 | 22年Q3 | 23年Q2 | 23年Q3 | |
全国 | -4.2 | -1.0 | -1.8 | 19.0 | -4.2 | 18.0 |
首都圏 | -2.0 | -11.8 | -11.9 | 32.0 | 0.6 | 31.9 |
地方 | -5.7 | 5.3 | 5.1 | 11.5 | -6.3 | 11.3 |
[中央銀行の住宅の不動産価格指数(RREPI)について]
RREPIは、各金融機関の新築住宅購入向け融資のデータなどに基づいた、様々なタイプの住宅価格における平均変動の一つの尺度である。不動産市場や金融市場の動向を分析・把握する上で有益な手段を提供する。BSPは、2015年11月16日の回覧892号で、国内全ての商業銀行(拡大商業銀行含)、貯蓄銀行に住宅融資に関する四半期報告書の提出を義務付け、2016年6月から新築住宅の不動産価格指数の公表を開始した。