11月の卸売物価上昇率4.2%、5カ月ぶりの低い伸び

11カ月平均4.9%に減速(前年同期7.4%) 首都圏5%

2024/01/07

 フィリピン統計庁(PSA)の速報データによると、2023年11月の一般卸売物価の上昇率は鈍化し、2023年6月に記録した4.0%以来の低水準となった。

 PSAは1月5日、全国総合卸売物価指数(GWPI、2012年=100)が前年同月比4.2%の上昇にとどまり、前月及び前年同月の年間上昇ペースから減速したと発表した。2023年年初11カ月では、平均上昇率は4.9%で前年同期の7.4%を下回った。

 11月の前年同期比減速傾向は、主に鉱物燃料・潤滑油類がマイナス3.7%からマイナス6.7%へと下落幅が拡大したことによる。また、構成比の大きな部分を占める食品の年間上昇率が10月の7.0%から11月に6.8%へ減速したこと、機械類・輸送機器(1.5%→1.3%)や動植物油脂を含む化学品(1.8%→1.5%)、雑工業品(3.6%→3.3%)などが減速したことも寄与した。

 11月の地域別上昇率については、ルソンが4.1%(前月4.4%)、ビサヤ地方は5.2%(同5.3%)、ミンダナオ地方は3.6%(同3.3%)。ミンダナオ地方のみ前月から加速した。11カ月平均はルソンが5.0%、ビサヤが4.5%、ミンダナオが4.4%であった。
 
 なお、11月の全国GWPI上昇率4.2%は、CPI(消費者物価指数)上昇率4.1%(2018年=100)を上回ったが、基準年が異なることに留意する必要がある。

 フィリピンGWPI前年同月比上昇率の推移(2012年基準、単位%)
時期 全国 ルソン ビサヤ ミンダナオ
2019年平均 1.6 1.6 2.2 1.9
2020年平均 2.5 2.5 0.9 1.6
2021年平均 3.1 3.2 0.4 4.6
2022年平均 7.3 7.7 5.3 4.2
2022年11月 7.2 7.4 6.5 4.8
12月 6.7 6.9 5.6 4.5
2023年 1月 7.0 7.2 4.9 5.5
2月 6.8 7.0 5.3 5.1
3月 4.8 4.7 4.7 5.2
4月 4.3 4.2 3.6 5.9
5月 5.0 4.9 3.9 5.7
6月 4.0 4.1 3.5 3.4
7月 4.5 4.6 3.9 4.3
8月 5.0 5.0 4.2 3.4
9月 4.4 4.6 4.6 3.2
10月 4.4 4.4 5.3 3.3
11月 4.2 4.1 5.2 3.6
11カ月間平均 4.9 5.0 4.5 4.4
(出所:PSA資料より作成)