中央銀行の金融委員会定例会合、24年は7回開催へ

初回は2月15日、米国FOMC初回は1月30日~31日

2024/01/23

 フィリピン中央銀行(BSP)のウェブサイトによると、2024年は7回の金融委員会(MB)政策定例会合開催を予定している。近年は年8回開催されることが多く、2023年も8回開催された。

 2024年のMB定期政策会合は、2月15日、4月4日、5月16日、6月27日、8月15日、10月17日、12月19日に開催される。1月、3月、7月、9月、11月は開催されない。金利など重要金融政策は通常、最高政策決定機関であるMBの定期政策会合で決定される。急を要する場合には臨時会合で決定されることもあるが稀である。

 2024年の初回MB定期政策会合は、2023年と同様2月となるが、現時点では、この初回も含め年前半は金利据え置きが継続されるとの見方が多くなっている。BSPのレモロナ総裁も、BSPは今後数カ月間政策金利を据え置く可能性が高いと表明している。ただし、MB委員にハト派(金融緩和派)が増えていることから予断は許さない。また、米国連邦準備理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)の動向にも影響を受ける可能性がある。

 なお、2024年のFOMCは1月30日~31日、3月19日~20日、4月30日~5月1日、6月11日~12日、7月30日~31日、9月17日~18日、11月6日~7日、12月17日~18日と予定されている。2024年初回のFOMCは、フィリピンの初回定期会合より半月早い開催となる。

 BSPは、12月14日に開催された2023年最後(8回目)のMB定期政策会合において、政策金利据え置を決定した。年末にかけて総合インフレ率は減速傾向となったが、インフレ上振れリスクは少なくない。また、中期的な経済成長見通しは依然として堅調であり、持続的な個人消費と労働市場状況の改善により強い需要が見込まれている。したがって、BSPはインフレの持続的な下降トレンドが完全に明らかになるまで、引き締めスタンスを継続する必要があると考えている。

 なお、現行の政策金利体系は、リバース・レポ(RRP)金利目標6.50%を中心とする6.00%~7.00%というコリドーとなっている。2022年5月から約1年半に亘る継続的な利上げにより、RRPは現行コリドーの下での最低であった2.0%から合計4.50%上昇、16年ぶりの高水準となっている。

 フィリピンの年間インフレ率推移(2018年基準、前年同月比%)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年  2022年  2023年
総合インフレ率  1.3 2.9 5.2 2.4  2.4  3.9  5.8  6.0
コアインフレ率   1.5 2.5 4.1   3.4 3.4  3.0  3.9 6.6

 (出所:PSA資料などより作成)