23年の外国人金融投資、2億5千万ドルの売り越し

前年8億9千万ドルの買い越しから悪化

2024/01/26

 フィリピン中央銀行(BSP)によると、2023年12月に認可代理銀行(AAB)を通じてBSPに登録された海外からの投資取引(旧:BSP登録の海外からのポートフォリオ投資勘定)は2億0,500万米ドルの純流出となり、前月及び前年同月の買い越しから売り越しに転じた。

 12月の登録投資額は10億6,600万米ドルで、前月から32.3%減少、前年同月から2.4%減少した。このうちの約52.9%(5億6,400万米ドル)がPSE上場株式への投資で、主に銀行、持株会社、不動産会社、輸送サービス、食品・飲料・タバコ会社の株式が買われた。約47.1%がペソ建て国債、残り1%未満がその他の金融商品への投資だった。12月の投資は主に英国、シンガポール、米国、ルクセンブルク、香港からのもので、全体の83.3%を占めた。一方、処分額(グロス)は前月比40.9%増、前年同月比27.2%増の12億7,100万米ドルで、そのうちの53.3%に当たる6億7,700万米ドルが米国へ送金された。

 2023年通年では、AABを通じてBSPに登録された海外からの投資取引は2億4,700万米ドルの売り越しに転じた(前年は8億8,700万米ドルの買い越し)。登録投資総額は前年比4.4%増の129億米ドル。このうちの約57.3%がPSE上場株式への投資で、主に銀行、不動産会社、持株会社、食品・飲料・タバコ会社、輸送サービスの株式が買われた。42.7%がペソ建て国債への投資、1%未満がその他の投資だった。対比投資上位5カ国は英国、米国、シンガポール、ルクセンブルク、日本で、全体の83.5%を占めた。一方、処分総額は前年比14.6%増の131億米ドルで、そのうちの95.1%が資本の本国送還、残り4.9%が収益の送金だった。米国への送金が全体の63.6%を占め、主な流出先となった。

 BSPに登録された海外からの投資取引 (単位:百万米ドル)
期間 22年 2023年 前月比
伸び率
前年同月比
伸び率
1月-12月 伸び率
12月 11月 12月 2022年 2023年
取得総額 1092 1,575 1,066 -32.3% -2.4% 12,344 12,886 4.4%
処分総額 999 902 1,271 40.9% 27.2% 11,457 13,134 14.6%
純流入額 93 673 -205 流出転換 流出転換 887 -247 流出転換
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、2023年は速報値)