31日に2023年GDP発表、成長率推定中間値は5.5%

第4四半期は5.7%:BW紙のエコノミスト20人対象調査

2024/01/30

 フィリピン統計庁(PSA)は、1月31日(木)午前10時、2023年第4四半期(10月~12月)および年間(1月~12月)の国内総生産(GDP)など国民勘定統計を発表する。アルセニオ・バリサカン国家経済開発庁(NEDA)長官及びPSAのクレア・デニス・マパ次官(国家統計官兼民事登記官)が解説する。

 現地有力経済紙であるビジネスワールド(BW)紙が先週実施した20名の民間エコノミストの2023年第4四半期GDP成長率推定集計における推定中間値は5.7%(最高値6.5%、最低値3.6%)となっている。インフレ高進やその対応策としての金融引き締めなどにより、前期(2023年第3四半期)の5.9%(速報値)、前年同期の7.1%から鈍化したとの見方が多い。

 2023年の年間成長率推定中間値は5.5%(最高値5.8%、最低値5.0%)。2022年の7.6%から大幅減速、政府の2023年成長率目標6.0%~7.0%の下限以下、すなわち、政府目標は不達であったとの見方で一致している。世界銀行の最新推定値5.6%、アジア開発銀行(ADB)の同5.7%を下回っているが、国際通貨基金(IFM)の同5.3%を上回っている。

 なお、2022年の7.6%成長は、現行基準(2018年基準)での遡上記録が残る2001年以降で最高の成長率であり、基準年は異なるが、1976年の8.8%以来の高成長であった。

 フィリピンのGDP実質成長率の推移と目標(2018年基準、単位:%)

15 16 17 18 19 20 21 22  23目標 24目標 25~28目標 
伸び率 6.3 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 7.6 6.0~7.0  6.5~7.5 6.5~8.0 
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、目標は2023年12月15日のDBCC設定数値)