6日に1月のインフレ率発表、直前予想中間値は3.1%

中央銀行は2.8~3.6%と推定、約3年ぶりの2%台の可能性も

2024/02/05

 フィリピン統計庁(PSA)は、2月6日午前9時、2024年1月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。

 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙(BW紙)が先週実施したエコノミスト16名による2024年1月の総合消費者物価上昇率(インフレ率、前年同月比、2018年基準)に関する直前予想のコンセンサス(中間値)は3.1%。3.1%となれば、22カ月ぶりの低水準であった前月(2023年12月)の3.9%から更に減速、2022年2月の3.0%以来、23カ月ぶりの低水準になる。そして、2023年同月の8.7%からは大幅減速、2カ月連続で、インフレ目標(2%~4.0%)内に収まることになる。

 16名のエコノミストのなかの最高予想値は4.0%、最低予想値は2.3%であった。4.0%予想が1名、3.4%が4名、3.2%が1名、3.1%が3名、3.0%が1名、2.9%が2名、2.6%が1名、2.5%が2名、2.3%が1名となっている。そして、フィリピン中央銀行(BSP)の直前予想レンジ2.8%~3.6%の中間値とほぼ一致する。

 BSPは、1月31日、「2024年1月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)は2.8%~3.6%の範囲内であったと予想している」と発表した。BSP予想の下限である2.8%となれば、2020年10月の2.3%以来、約3年ぶりの低水準、かつ2%台となる。BSPは、2024年1月は、コメ、果物、値上がり、電気料金、水道料金、ペソ安などがインフレ上昇圧力になったと分析している。しかし、野菜や砂糖価格の値下がりなどがインフレ圧力を緩和したと見ている。

 総合CPI上昇率  (2018年基準、前年同月比%)
項目 22年 2023年 
12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
総合 8.1 8.7 8.6 7.6 6.6 6.1 5.4 4.7 5.3 6.1 4.9 4.1 3.9
食品・非酒類 10.2 10.7 10.8 9.3 7.9 7.4 6.7 6.3 8.1 9.7 7.0 5.7 5.4
酒類・タバコ 10.7 10.9 11.0 12.2 12.7 12.3 11.6 10.9 10.1 9.8 9.3 9.0 9.0
衣料・履物類 3.9 4.4 4.8 5.0 5.1 5.1 5.1 4.8 4.8 4.7 4.8 4.3 4.2
住宅・水道光熱費 7.0 8.6 8.6 7.6 6.5 6.5 5.6 4.5 2.5 2.4 2.6 2.5 1.5
家具・住宅管理 4.8 5.2 6.2 6.2 6.1 6.2 6.0 5.8 5.6 5.4 5.3 4.7 4.5
健康・医療 3.1 3.3 4.0 3.9 4.1 4.1 3.9 3.9 3.9 4.1 4.0 3.8 3.7
交通・輸送 11.7 11.1 9.0 5.3 2.6 -0.5 -3.1 -4.7 0.2 1.2 1.0 -0.8 0.4
情報・通信 0.7 0.7 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.8 0.6 0.5
娯楽・文化 3.9 4.2 4.4 4.6 4.7 4.9 4.8 4.7 4.9 5.1 5.0 4.9 4.2
教育 3.6 3.6 3.6 3.6 3.6 3.6 3.6 3.7 2.9 3.8 3.8 3.5 3.5
外食・宿泊サービス 7.0 7.6 8.1 8.3 8.6 8.3 8.2 7.9 7.1 7.1 6.3 5.6 5.6
金融サービス 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
パーソナルケア類 4.5 5.0 5.3 5.6 5.7 5.7 5.8 5.6 5.5 5.4 5.3 4.8 4.6
首都圏 7.6 8.6 8.7 7.8 7.1 6.5 5.6 5.6 5.9 6.1 4.9 4.2 3.5
地方 8.2 8.7 8.5 7.5 6.5 6.0 5.3 4.4 5.2 6.0 4.9 4.1 4.0
(出所:PSA資料より作成)