23年の卸売物価平均上昇率4.9%、前年7.3%から減速

ルソン4.9%、ビサヤ4.6%、ミンダナオ4.3%、12月は4.3%

2024/02/06

 フィリピン統計庁(PSA)の速報データによると、2023年12月の全国一般卸売物価指数(GWPI、2012年=100)の上昇率は4.3%となり前月を上回ったが、前年同月の6.7%からは大幅に減速した。2023年年間平均上昇率は4.9%で、前年の7.3%を下回った。

 全国レベルでの12月のGWPIの年間上昇は、主に鉱物燃料・潤滑油類の上昇率が11月のマイナス6.7%からマイナス2.8%へと下落幅が縮小したことによる。加えて、動植物油脂を含む化学品(11月1.5%→12月1.8%)、雑工業品(3.3%→3.5%)などが前月から加速したことも影響した。一方、構成比の大きな部分を占める食品の年間上昇率は6.8%、飲料・タバコは6.2%と11月から横ばいだった。機械類・輸送機器は11月の1.3%上昇から12月は1.0%上昇にとどまった。

 12月の地域別上昇率については、ルソンが4.2%(前月4.1%)、ビサヤ地方は5.7%(同5.2%)、ミンダナオ地方は3.5%(同3.6%)。ミンダナオ地方のみ前月から減速した。年間平均上昇率では、ルソンが4.9%(前年7.7%)、ビサヤ地方は4.6%(同5.3%)、ミンダナオ地方は4.3%(同4.2%)。ミンダナオ地方のみ前年から加速した。
 
 12月の全国GWPI上昇率4.3%は、CPI(消費者物価指数)上昇率3.9%(2018年=100)を上回ったが、基準年が異なることに留意する必要がある。

 フィリピンGWPI前年同月比上昇率の推移(2012年基準、単位%)
時期 全国 ルソン ビサヤ ミンダナオ
2019年平均 1.6 1.6 2.2 1.9
2020年平均 2.5 2.5 0.9 1.6
2021年平均 3.1 3.2 0.4 4.6
2022年平均 7.3 7.7 5.3 4.2
2023年平均 4.9 4.9 4.6 4.3
 
2022年12月 6.7 6.9 5.6 4.5
2023年 1月 7.0 7.2 4.9 5.5
2月 6.8 7.0 5.3 5.1
3月 4.8 4.7 4.7 5.2
4月 4.3 4.2 3.6 5.9
5月 5.0 4.9 3.9 5.7
6月 4.0 4.1 3.5 3.4
7月 4.5 4.6 3.9 4.3
8月 5.0 5.0 4.2 3.4
9月 4.4 4.6 4.6 3.2
10月 4.4 4.4 5.3 3.3
11月 4.2 4.1 5.2 3.6
12月 4.3 4.2 5.7 3.5
(出所:PSA資料より作成)