丸紅出資のマイニラッド、下水インフラ整備にも注力

バレンズエラの下水処理場が初期稼働開始

2024/02/08

 マニラ首都圏西半分などをサービスエリアとして水道や下水処理サービスの提供しているマイニラッド ウォーター サービス(マイニラッド、本社:マニラ首都圏ケソン市)は、サービスエリア内での下水道事業基盤を整備する「下水管理プログラム」の更なる推進のために、2023年~2046年に1,780億ペソの設備投資を行う方針である。

 1,780億ペソの支出計画には18の新しい下水処理場(STP)の建設、家庭からの排水をSTPに運ぶ約360キロメートルの新しい下水管の設置、環境天然資源省の改訂された排水基準を満たすための17の既存下水処理施設の拡充・近代化が含まれる。これらの投資により、下水処理サーブスを拡充、汚染負荷を管理することを目的としている。既に、バレンズエラ、モンテンルパ、カロオカン、ラス ピニャス、トゥナサン、クパンの各自治体で新しいSTP建設や下水管敷設が着手されている。

 このうちバレンズエラ市マルラスに新設のSTPの初期稼働を開始した。この下水処理場は、バレンズエラ市の9つのバランガイ内で約30万人の顧客から発生する廃水を処理するように設計されている。そして、安全に処理水を放出できるようになる。

 マイニラッドは、マニラ首都圏上下水道事業民営化におけるフィリピン政府・MWSSとの民間委託契約(コンセッション契約)に基づき、マニラ首都圏の西地区全17市区などをサービスエリアとして、浄水や下水処理サービスの提供、上下水道管路網の維持管理、検針や料金徴収までを含むフルコンセッション事業を行っている。サービスエリア内の人口は、フィリピンの人口のおよそ一割に相当する1千万人超であり、単一コンセッション契約に基づく民間水道事業としては、サービスエリア内の人口において世界最大規模である。

 現在マイニラッドは、フィリピンの有力コングロマリットであるメトロ パシフィック インベストメンツ(証券コード:MPI)、DMCIホールディングス(証券コード:DMC)、丸紅との合弁企業となっている。出資比率はMPI52.8%、DMCIホールディングス25.3%、丸紅20%である。丸紅は2013年に、20%の間接出資を行っている。