23年12月の失業率3.1%で過去最低、失業者28%減少

23年の平均4.3%(前年5.4%)、年間ベースでも過去最低に

2024/02/08

 フィリピン統計庁(PSA)は2月7日、2023年12月の失業率が3.1%(速報値)となり、前月(11月)の3.6%から0.5%ポイント、前年同月の4.3%から1.2%ポイント低下したと発表した。失業率3.1%は、PSAが2005年4月に現行の集計基準を採用してからの約19年間で最低の記録である。また、2023年の年間平均失業率は4.3%で、前年の5.4%から1.1%ポイント低下し、年ベースでもこれまでの最低であった2019年の5.1%を0.8%ポイント下回った。

 2023年12月の15歳以上の人口は前年同月比1.4%増の7,821万人、労働力人口は同1.8%増の5,213万人。労働参加率は66.6%で、前年同月の66.4%および前月の65.9%から上昇した。

 失業者数は前年同月比27.8%減の160万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の35.4%、25歳-34歳が37.9%と合計で全体の73.3%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は31.8%(卒業者は23.9%)、大学進学・卒業者が45.9%(卒業者は33.5%)だった。性別では、男性54.3%、女性45.7%と男性が上回っている。

 就業者数は前年同月比3.1%増の5,053万人。業種別では、農業部門が24.4%(前年同月24.0%)、鉱工業部門が18.3%(同17.1%)、サービス部門が57.3%(同58.9%)だった。サブセクターで、年間増加数の多かった上位3業種は、建設業、農林業、宿泊業・飲食サービス業。最も減少した上位3業種は、卸売・小売業、自動車及びオートバイの修理、管理・支援サービス活動、漁業・水産養殖業。

 賃金・給与労働者が就業者全体の62.7%を占めた。その中で、民間企業労働者が依然最も高い割合を占め、賃金・給与労働者全体の78.6%、就業者全体の49.2%を占めている。政府系企業社員・公務員が就業者全体の8.8%、自営・事業主は全体の29.5%を占めた。週平均労働時間は40.6時間(前年同月40.3時間)。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の67.5%(同65.0%)だった。

 一方、不完全就業者(職に就いているが調査期間中に働いていなかったり、労働時間が報告されていない就業者を含む)の数は前年同月比3.0%減の601万人、不完全就業率は11.9%(前年同月12.6%)。不完全就労者全体の60.3%が労働時間週40時間以下だった。

 フィリピンの失業率等の比較(単位:%)
全国 労働参加率 失業率 不完全就業率
2019年 61.3 5.1 13.8
2020年 59.5 10.3 16.2
2021年 63.3 7.8 15.9
2022年 64.7 5.4 14.2
2023年 64.9 4.3 12.3
 
2022年12月 66.4 4.3 12.6
2023年 1月 64.5 4.8 14.1
2月 66.6 4.8 12.9
3月 66.0 4.7 11.2
4月 65.1 4.5 12.9
5月 65.3 4.3 11.7
6月 66.1 4.5 12.0
7月 60.1 4.8 15.9
8月 64.7 4.4 11.7
9月 64.1 4.5 10.7
10月 63.9 4.2 11.7
11月 65.9 3.6 11.7
12月 66.6 3.1 11.9
(出所:PSA資料より作成、2023年全て速報値)