パナソニック現法PMPCの9カ月間決算、約8千万ペソの黒字に

創業61周年、PSE上場41周年、フィリピン家電業界の老舗

2024/02/20

 フィリピン証券取引所(PSE)に上場しているパナソニックのフィリピン製造拠点であるパナソニック マニュファクチャリング フィリピン(証券コード:PMPC、会計期末3月)は、2月15日、2023年度9カ月間(2023年4月~12月)の事業報告書を開示した。
 
 それによると、2023年度9カ月間の売上高は前年度同期比(以下同様)7.1%減の100億5,694万ペソにとどまった。国内販売に関しては、中国製品との競争激化で冷蔵庫やテレビが伸び悩んだ。また、エアコンの輸出も減少した。
 
 減収であったが、製造コストが10.1%低減されたことで粗利益は14.6%増の14億9,157万ペソへと二桁増加した。一般管理費が9.7%増加、販売費が1.3%増加したが、金利収入などその他収入が2.3倍の7,320万ペソへと大幅増加したこともあって、税引き前利益は623.2%増(約7.2倍)の1億6,654万ペソ、純損益は7,592万ペソの黒字となり、前年同期の1,930万ペソの赤字から急改善した。
 
 PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)であり、まもなく創業61周年を迎える。FMCは、1965年、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ・エレクトリック・フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。

 1983年1月には、フィリピン証券取引所(PSE)に上場された。すなわち、今年1月に上場41周年を迎えた。現在、PMPCは額面1ペソの普通株式を約4億2,272万株発行している。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株約8,472万株が上場されている。2024年2月19日の終値は5.30ペソであった。浮動株比率は14.93%、日本のパソニック本社のPMPC保有比率は2023年12月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。

 表1.パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピン9カ月間の業績比較(単位:万ペソ)

項目 2020年度  2021年度 2022年度  2023年度   23年度伸び率
売上高 804,734 954,044 1,082,785  1,005,694 -7.1%
粗利益 204,208 219,513 130,147   149,157 14.6%
税引前利益 19,364 21,820 2,303   16,654 623.2%
所得税費用 8,065 8,455 4,233   9,062 114.1%
純利益  11,299 13,365 -1,930  7,592 黒字転換

(出所:PMPC事業報告書より作成)

 
  表2.パナソニック マニュファクチャリング フィリピン年間業績推移(単位:万ペソ)
項目 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度  22年度伸率 
売上高 1,049,008 1,152,081 1,190,695 1,088,310 1,259,053 1,517,832  20.6% 
粗利益 201,187 225,380 239,868 256,628 254,572 251,843  -1.1% 
税引前利益 31,692 27,459 24,006 47,865 24,346 24,094  -1.0%
所得税費用 5,288 12,607 11,360 12,063 7,792 5,868  -24.7%
純利益 26,403 14,852 12,646 35,802 16,553 18,226  10.1%
(出所:PMPCの年次報告書などより作成)