3月5日、2月のインフレ率発表、直前予想中間値は3.0%

3カ月連続インフレ目標内、BW紙16名のエコノミスト対象調査

2024/03/04

 フィリピン統計庁(PSA)は、3月5日午前9時、2024年2月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。

 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙(BW紙)が先週実施したエコノミスト16名による2024年2月の総合消費者物価上昇率(インフレ率、前年同月比、2018年基準)に関する直前予想のコンセンサス(中間値)は3.0%。3.0%となれば、39カ月ぶりの低水準であった前月(2024年1月)の2.8%から僅かに加速するが、2023年同月の8.6%からは大幅な減速である。また、3カ月連続で、インフレ目標(2%~4.0%)内に収まることになる。

 16名のエコノミストのなかの最高予想値は3.8%、最低予想値は2.5%であった。3.8%が1名、3.3%が1名、3.2%が1名、3.1%が4名、3.0%が4名、2.9%が1名、2.8%が1名、2.7%が2名、2.5%が1名となっている。

 BSPは、2月29日、「2024年2月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)は2.8%~3.6%の範囲内であったと推定している」と発表した。すなわち、2月の総合インフレ率は、3年3カ月ぶりの低水準となった前月(2024年1月)の2.8%に続き2カ月連続での2%台となった可能性があると見ている。

 BSPは、2024年2月は、コメ、肉類、魚介類、石油製品、電気料金の値上がりなどがインフレ上昇圧力になったと分析している。しかし、野菜、果物、砂糖の値下がりなどがインフレ圧力を緩和したと見ている。

 総合CPI上昇率  (2018年基準、前年同月比%)
項目 2023年  24年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
総合 8.7 8.6 7.6 6.6 6.1 5.4 4.7 5.3 6.1 4.9 4.1 3.9 2.8
食品・非酒類 10.7 10.8 9.3 7.9 7.4 6.7 6.3 8.1 9.7 7.0 5.7 5.4 3.5
酒類・タバコ 10.9 11.0 12.2 12.7 12.3 11.6 10.9 10.1 9.8 9.3 9.0 9.0 8.4
衣料・履物類 4.4 4.8 5.0 5.1 5.1 5.1 4.8 4.8 4.7 4.8 4.3 4.2 3.8
住宅・水道光熱費 8.6 8.6 7.6 6.5 6.5 5.6 4.5 2.5 2.4 2.6 2.5 1.5 0.7
家具・住宅管理 5.2 6.2 6.2 6.1 6.2 6.0 5.8 5.6 5.4 5.3 4.7 4.5 3.9
健康・医療 3.3 4.0 3.9 4.1 4.1 3.9 3.9 3.9 4.1 4.0 3.8 3.7 3.3
交通・輸送 11.1 9.0 5.3 2.6 -0.5 -3.1 -4.7 0.2 1.2 1.0 -0.8 0.4 -0.3
情報・通信 0.7 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.8 0.6 0.5 0.5
娯楽・文化 4.2 4.4 4.6 4.7 4.9 4.8 4.7 4.9 5.1 5.0 4.9 4.2 4.0
教育 3.6 3.6 3.6 3.6 3.6 3.6 3.7 2.9 3.8 3.8 3.5 3.5 3.8
外食・宿泊サービス 7.6 8.1 8.3 8.6 8.3 8.2 7.9 7.1 7.1 6.3 5.6 5.6 5.5
金融サービス 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 -0.6
パーソナルケア類 5.0 5.3 5.6 5.7 5.7 5.8 5.6 5.5 5.4 5.3 4.8 4.6 4.0
首都圏 8.6 8.7 7.8 7.1 6.5 5.6 5.6 5.9 6.1 4.9 4.2 3.5 2.8
地方 8.7 8.5 7.5 6.5 6.0 5.3 4.4 5.2 6.0 4.9 4.1 4.0 2.8
(出所:PSA資料より作成)