世界幸福度、フィリピン53位へ急上昇(前年76位)

1位フィンランド、最下位アフガン、日本51位、中国60位

2024/03/21

 世界幸福デーの3月20日、2012年に国連によって設立された非営利団体「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が、「世界幸福度報告書」2024年版を発表した。
 
 この報告書は「世界幸福度ランキング」を掲載している。「世界幸福度ランキング」は、調査機関のギャラップなどが実施した意識調査に基づいている。直近の3年間で得られた回答をもとに、世界の国や地域の「幸福度」をランキングしている。2012年以降、2014年を除いて毎年発表されている。今回は2021~2023年の3年間の生活について尋ね、1人あたりGDP、社会福祉、健康寿命、人生選択の自由、寛容度、腐敗に対する認識の6項目で幸福度を指数化している。今回は初めて年齢層別の幸福度ランキングも掲載されている。

 143の国・地域対象の2024年「世界幸福度ランキング」においては、フィンランドが7年連続で総合1位となった。以下、2位デンマーク、3位アイスランド、4位スウェーデン、5位イスラエル、6位オランダ、7位ノルウェー、8位ルクセンブルク、9位スイス、10位オーストラリアと続く。例年通り、福祉や教育が充実している北欧諸国が上位を占めた。

 最下位の143位はアフガニスタン、142位はレバノン、141位はレソト、140位はシエラレオネ、139位はコンゴ民主共和国、138位はジンバブエと続く。当然のことながら、紛争の影響を受けている国・地域は総じて低いランクである。ちなみに、パレスチナは103位であり、対峙するイスラエルの5位とは対象的である。イスラエルは例年非常に高いランキングとなっているが、今回は前年の2位から3ランク低下した。

 東アジアおよびASEAN諸国では、シンガポールが30位で最高、台湾31位、日本51位、韓国52位、フィリピン53位、ベトナム54位、タイ58位、マレーシア59位、中国60位などと続く。すなわち、フィリピンは東アジアおよびASEAN諸国で5番目、ASEAN諸国では2番目に幸福な国となった。

 フィリピンは、2023年の76位(137の国・地域対象)から23ランク急上昇、改善度で最高となった。そして、2020年の52位(1533の国・地域対象)以来の最高順位となった。年齢別では、30歳未満の幸福度が70位、60歳以上の幸福度が43位で、若い層の幸福度は低かった。