2月の失業率3.5%、過去2番目の低水準

失業者数27%減、不完全就業率は12.4%で下げ渋り

2024/04/12

 フィリピン統計庁(PSA)は4月11日、2024年2月の失業率が3.5%(速報値)となり、前年同月の4.8%から1.3%ポイント低下、前月(2024年1月)の4.5%から1.0%ポイント低下した。そして、PSAが2005年4月に現行の集計基準を採用してからの約19年間での最低の記録である2023年12月の3.1%に次ぐ2番目の低水準となった。

 2024年2月の15歳以上の人口は前年同月比1.7%増の7,831万人、労働力人口は同1.0%減の5,075万人。労働参加率は64.8%で、前年同月の66.6%から低下したが、前月(61.1%)からは上昇した。

 失業者数は前年同月比27.4%減の180万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の32.7%、25歳-34歳が37.3%と合計で全体の70.0%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は37.9%(卒業者は26.3%)、大学進学・卒業者が40.9%(卒業者は32.4%)だった。性別では、男性54.7%、女性45.3%と男性が上回っている。

 就業者数は前年同月比0.3%増の4,895万人。業種別では、農業部門が21.3%(前年同月24.1%)、鉱工業部門が18.1%(同16.3%)、サービス部門が60.6%(同59.6%)だった。サブセクターで、年間増加数の多かった上位4業種は、建設業、輸送・倉庫、管理・支援サービス活動、製造業、宿泊・飲食サービス業。最も減少した上位4業種は、農林業、漁業・水産養殖業、行政・防衛(社会事業)、情報通信業、卸小売・自動車修理業。

 賃金・給与労働者が就業者全体の62.9%を占めた。その中で、民間企業労働者が依然最も高い割合を占め、賃金・給与労働者全体の79.3%、就業者全体の49.9%を占めている。政府系企業社員・公務員が就業者全体の8.5%、自営・事業主は全体の29.2%を占めた。週平均労働時間は40.1時間(前年同月39.5時間)。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の66.5%(同63.6%)だった。

 一方、不完全就業者(職に就いているが調査期間中に働いていなかったり、労働時間が報告されていない就業者を含む)数は前年同月比3.3%減の608万人。不完全就業率は12.4%(前年同月12.9%)。不完全就労者全体の60.8%が労働時間週40時間以下だった。

 フィリピン労働力調査(LFS)
項目 2023年2月 2024年1月 2024年2月
15歳以上人口(単位:千人) 77,004 78,655 78,307
労働力参加率(%) 66.6 61.1 64.8
失業率(%) 4.8 4.5 3.5
不完全就業率(%) 12.9 13.9 12.4
週平均労働時間(h) 39.5 42.1 40.1
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、2023年2月以外は速報値)

 
フィリピンの失業率等の比較(単位:%)
全国 労働参加率 失業率 不完全就業率
2019年 61.3 5.1 13.8
2020年 59.5 10.3 16.2
2021年 63.3 7.8 15.9
2022年 64.7 5.4 14.2
2023年 64.9 4.3 12.3
 
2023年 2月 66.6 4.8 12.9
3月 66.0 4.7 11.2
4月 65.1 4.5 12.9
5月 65.3 4.3 11.7
6月 66.1 4.5 12.0
7月 60.1 4.8 15.9
8月 64.7 4.4 11.7
9月 64.1 4.5 10.7
10月 63.9 4.2 11.7
11月 65.9 3.6 11.7
12月 66.6 3.1 11.9
2024年 1月 61.1 4.5 13.9
2月 64.8 3.5 12.4
(出所:PSA資料より作成、2023年3月以降全て速報値)