アヤラ系優良銀行BPI、24年第1四半期も好調

純利益26%増の153億ペソ、総資産3兆ペソ突破

2024/04/23

 アヤラ財閥傘下の有力拡大商業銀行バンク オブ ザ フィリピン アイランズ(証券コード:BPI)が、4月22日、2024年第1四半期(1月~3月)の決算速報を発表した。
 
 BPIの2024年第1四半期の純収入は前年同期比(以下同様)24.6%増の395億ペソに達した。主力の融資事業などによる純金利収入が23.5%増の298億ペソと堅調だった。純金利率は25ベイシスポイント上昇し4.19%に達した。一方、サービス・手数料収入など非金利収入も28.1%増の97億ペソへと二桁増加。特に、クレジットカード関連手数料、保険、資産管理ビジネスの手数料が好調であった。
 
 総営業費用は19.6%増の180億ペソ。事業拡大に伴う人員増などによる人件費増加やマーケティングキャンペーン費用増加、デジタル化推進費用などで二桁増加となったが、伸び率は増収率を下回った。これらの結果、純利益は25.8%増の153億ペソへと増加した。
 
 2023年3月末の総融資残高は前年同月末比18.7%増の2兆ペソ。一方、受入預金残高は12.8%増の2兆4,000億ペソ。そのなかで、コストの低い当座預金・貯蓄口座(CASA)預金残高の全預金残高に占める比率は64.8%。また、預貸率(LDR)は84.0%となった。総資産は14.7%増の3兆1,000億ペソ、株主資本は4,031億ペソへと増加した。

 年率換算の株主資本利益率(ROE)は15.7%、総資産利益率(ROA)は2.02%。バーゼルⅢ基準でのリスク加味自己資本比率(CAR)は15.6%で中央銀行の最低基準10%を大幅に上回っている。補完資本(TIER2)を除いた普通株式中核自己資本(CET1)比率も14.7%と良好で中央銀行の最低基準大幅に上回っている。一方、不良債権(NPL)比率は2.12%で、NPL貸倒引当率は136.20%。

 BPIの2023年の総収入は前年比(以下同様)16.7%増の1,383億ペソ、主力の純金利収入が22.7%増の1,044億ペソと好調であった。増収効果や効率化効果などにより、帰属純利益は30.5%増の517億ペソに達し、過去最高益を更新した。2024年も更なる業績向上が期待されるスタートとなった。

 なお、BPIは1851年に創立されたフィリピン最古の銀行であり、今年創業174周年を迎えた。2022年1月1日には、100%子会社であった貯蓄銀行BPIファミリー セービングズ バンク(BFSB)を吸収合併、今年1月1日にはゴコンウェイ財閥傘下の商業銀行であったロビンソンズバンクを吸収合併、規模の拡大、効率化、シナジー効果、株主利益の最大化を図りつつある。