第1四半期の財政赤字、1%増の2,762億ペソ

プライマリーバランス赤字は38%減の797億ペソ

2024/04/25

 フィリピン財務局は4月24日、3月の財政収支(速報値、以下同様)が1,959億ペソの赤字となり、前年同月の2,103億ペソの赤字を6.8%(143億ペソ)下回ったと発表した。歳入の増加率が歳出の増加率を上回ったことによる。これらの結果、2023年第1四半期(1月~3月)の財政赤字は2,726億ペソとなり、前年同期から18億ペソ、率にして0.6%の増加にとどまった。

 3月の歳入は、イースター休暇による営業日の減少で関税局(BOC)の税収が減ったにもかかわらず、11.3%増の2,879億ペソと二桁の伸びとなった。税収のうち、内国歳入庁(BIR)の収入は3.1%増の1,453億ペソ、BOCは6.8%減の749億ペソだった。非税収のうち、財務局(BTr)の収入は3.3倍の491億ペソ、民営化の収益や手数料などその他収入は22.7%減の150億ペソ。一方、3月の歳出は3.2%増の4,838億ペソ。そのうち、利払い額は16.5%増の709億ペソ。歳出全体の14.7%を占めた。

 2024年第1四半期では、歳入は前年同期比14.0%増の9,337億ペソ。そのうち、BIRは17.1%増の5,918億ペソ、BOCは2.4%増の2,189億ペソ、その他税収は20.2%増の97億ペソ。非税収のBTrは85.3%増の723億ペソ、その他収入は21.8%減の411億ペソだった。一方、歳出は10.7%増の1兆2,064億ペソで、うち利払い額は35.9%増の1,930億ペソ、歳出全体の16.0%を占めた。

 歳出から歳入と利払い費を除外して算出されるプライマリーバランス(基礎収支)に関しては、3月は1,250億ペソの赤字であったが、前年同月の1,494億ペソの赤字を16.3%下回った。第1四半期では797億ペソの赤字であったが、前年同期の1,289億ペソの赤字を38.2%下回った。

   財政収支動向    (単位:億ペソ、%)
期間 3月 1月-3月
23年 24年 伸び率 23年 24年 伸び率
歳入 2,587 2,879 11.32% 8,187 9,337 14.05%
 税収 2,244 2,239 -0.23% 7,271 8,203 12.83%
   内国歳入庁 1,410 1,453 3.11% 5,052 5,918 17.15%
   関税局 803 749 -6.78% 2,138 2,189 2.35%
   その他 31 36 17.82% 81 97 20.19%
 非税収 343 641 86.94% 916 1,134 23.78%
   財務局 149 491 229.89% 390 723 85.26%
   その他 194 150 -22.71% 526 411 -21.83%
歳出 4,689 4,838 3.18% 10,896 12,064 10.72%
  利払い 609 709 16.50% 1,420 1,930 35.93%
   その他 4,080 4,129 1.20% 9,476 10,134 6.94%
 
財政収支 -2,103 -1,959 赤字7%減 -2,709 -2,726 赤字0.6%増
プライマリーバランス -1,494 -1,250 赤字16%減 -1,289 -797 赤字38%減
(出所:フィリピン財務局資料より作成)

フィリピンの財政赤字と対GDP比率推移   (単位:億ペソ)
項目 年間実績推移
16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年
財政赤字 3,534 3,506 5,583 6,602 13,714 16,701 16,141 15,121
対GDP比 2.3% 2.1% 3.1% 3.4% 7.6% 8.6% 7.3% 6.2%
(出所:フィリピン財務局資料より作成)