地域別GDP成長率、23年首位は中央ビサヤの7.3%

最低ソックサルジェンの3.5%、首都圏4.9%、全国5.5%

2024/04/26

 フィリピン統計庁(PSA)は4月25日、2023年の国内地域別経済成長率(2018年=100)を発表した。2023年の全国17地域の経済の実質GDP成長率は5.5%と前年の7.6%から低下した。

 中でも、中央ビサヤ地域は実質GDP成長率が7.3%と最速の成長を示した。2位は西ビサヤ地域の7.2%、3位はイロコス地域の7.1%。その他で全国レベル(5.5%)を超えたのは、コルディリェラ行政地域(CAR)6.9%、ダバオ地域6.7%、東ビサヤ地域6.4%、カガヤンバレー地域6.2%、中央ルソン地域6.1%だった。

 16産業全てがプラス成長を記録した。トップ3は、宿泊飲食サービス業の23.2%、その他サービス業(芸術・文化・娯楽活動、パーソナルサービス他)の20.8%、運輸保管業の13.0%。

 一方、支出面で、最も高い実質成長率を示したのは、総資本形成5.9%、家計最終消費支出5.6%、商品・サービス輸出1.4%。

 家計最終消費支出で最も成長率が高かった地域はムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治区(BARMM)で7.5%を記録した。次いで、カラバルソン地域の6.0%、中央ビサヤ地域の5.9%。政府最終消費支出では、トップ3が北ミンダナオ地域の4.3%、ダバオ地域の3.8%、ミマロパ地域の3.5%。

 全国レベルの1人当たり実質GDP成長率は4.3%で前年の6.2%を下回った。全国レベルを超えた地域は8地域だった。西ビサヤ地が6.5%と最も高く、次いでイロコス地域の6.4%、中央ビサヤ地域の6.15%、CARの6.14%だった。

 地域別実質国内総生産(GDP)成長率の推移(2018年基準:単位:%、構成比は2022年分)
地域 構成比 2021-2022年 2022-2023年
フィリピン全体 100.0 7.6 5.5
首都圏(NCR) 31.2 7.2 4.9
コルディリェラ行政地域(CAR) 1.7 8.7 6.9
第1地域:イロコス 3.3 7.6 7.1
第2地域:カガヤンバレー 2.1 8.0 6.2
第3地域:中央ルソン 11.0 8.1 6.1
第4A地域:カラバルソン 14.7 7.8 5.2
第4B地域:ミマロパ 2.0 6.3 4.7
第5地域:ビコール 2.9 8.0 4.6
第6地域:西ビサヤ 4.9 9.3 7.2
第7地域:中央ビサヤ 6.6 7.6 7.3
第8地域:東ビサヤ 2.5 6.7 6.4
第9地域:サンボアンガ半島 2.1 7.5 4.6
第10地域:北ミンダナオ 4.7 7.2 5.3
第11地域:ダバオ 4.8 8.2 6.7
第12地域:ソックサルジェン 2.5 6.6 3.5
第13地域:カラガ 1.6 5.9 4.9
BARMM 1.4 6.6 4.3
(出所:PSA資料より作成、BARMM:ムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治区)