4月の株価2.9%下落、一時4カ月ぶりの安値に

8年ぶりの9日続落場面も、4カ月間では3.9%上昇

2024/05/03

 フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2024年4月30日の終値は6,700.49ポイントとなり、前月末から2.94%下落した。4月の終値ベースでの最高値は1日の6,979.81ポイント。最安値は16日の6,404.97ポイントだった。

 4月は中旬に急落した。中東情勢緊迫化や原油価格上昇懸念、米国やフィリピンでの利下げの更なる先送り観測、外国人の売り越し継続などにより、4月16日まで9営業日連続安、2023年12月13日の6,255.74ポイント以来、約4カ月ぶりの安値へと下落した。フィリピン政府通信社(PNA)によると、9営業日連続下落は8年ぶりとのことである。

 4月下旬は、中東情勢に関する過度の懸念が緩和したことや主要市場の上昇などにより戻り歩調となったが、依然インフレ再加速懸念など不安材料が多いことから上値も重い展開となり、結局4月月間では反落という結果となった。
 
 2024年年初4カ月間ではPSEiは3.88%上昇した。日米など主要市場が最高値を更新するなど強い動きを見せるなかで、出遅れ感や値頃感で買われる場面もあった。しかし、比米の金融政策に関する不透明感、現・前大統領の対立、固有の買い材料不足などにより、コロナ禍前の水準へ戻りきらない状況が続いている。

 4カ月間の大分類セクター別指数は、金融株(+20.43%)、サービス業株(+15.70%)、持株会社株(+1.37%)が上昇した一方、鉱業・石油株(資源-12.16%)、不動産株(-12.10%)、工業株(-0.68%)は下落した。金利敏感の代表格である不動産株は軟調な展開が続いている。

 2024年年初4カ月の外国人投資家の買い越し日は54営業日だった(1月は17日、2月は20日、3月は12日、4月は5日)。

 PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 年末・月末値 上昇率
2012年 5,812.73ポイント 32.95%
2013年 5,889.83ポイント 1.33%
2014年 7,230.57ポイント 22.76%
2015年 6,952.08ポイント -3.85%
2016年 6,840.64ポイント -1.60%
2017年 8,558.42ポイント 25.11%
2018年 7,466.02ポイント -12.76%
2019年 7,815.26ポイント 4.68%
2020年 7,139.71ポイント -8.64%
2021年 7,122.63ポイント -0.24%
2022年 6,566.39ポイント -7.81%
2023年 6,450.04ポイント -1.77%
2024年 1月末 6,646.44ポイント 3.04%
2月末 6,944.71ポイント 4.49%
3月末 6,903.53ポイント -0.59%
4月末 6,700.49ポイント -2.94%
4カ月間 - 3.88%
(出所:PSE資料より作成)

 PSEセクター別株価指数上昇率
項目 20年 21年 22年 23年 24年4カ月間 24年4月末指数
PSE指数 -8.64% -0.24% -7.81% -1.77% 3.88% 6,700.49
全株指数 -8.11% -10.64% -9.33% -1.08% 2.96% 3,525.94
  金融株指数 -22.32% 10.95% 2.42% 5.71% 20.43% 2,094.20
  工業株指数 -2.51% 10.76% -10.12% -2.94% -0.68% 9,014.34
  持株会社株指数 -3.13% -7.44% -5.49% -5.09% 1.37% 6,189.77
  不動産株指数 -11.80% -12.14% -9.04% -2.52% -12.10% 2,509.49
  サービス業株指数 -1.11% 31.19% -17.73% -1.79% 15.70% 1,856.90
  鉱業・石油株指数 17.75% 0.77% 12.57% -7.48% -12.16% 8,784.58
(出所:PSE資料より作成)