9日に第1四半期GDP発表、事前予想中間値は5.9%

最高予想6.75%、最低5.3%:BW紙のエコノミスト20人調査

2024/05/07

 フィリピン統計庁(PSA)は、5月9日(木)午前10時、2024年第1四半期(1月~3月)の国内総生産(GDP)など国民勘定統計を発表する。バリサカン国家経済開発庁(NEDA)長官及び国家統計学者のマパPSA次官が解説する。
 
 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙が先週実施した20名の民間エコノミストの2024年第1四半期GDP成長率直前予想集計における予想の中間値は5.9%(最高値6.75%、最低値5.3%)であった。長引く高インフレやその対応策としての金融引き締め継続などにより、前年同期の6.4%からは減速、政府の年間成長率目標6%~7%の下限を下回ったとの見方が多い。ただし、堅調な個人消費と政府支出を背景に、前期(2023年第4四半期)の5.5%からは加速したという見方ではほぼ一致している。

 なお、政府の2024年の年間GDP成長率目標は上記のように6.0%~7.0%で、2023年実績の5.5%(改訂値)を大幅に上回ると見込んでいる。2025年目標は6.5%~7.5%である。現時点では、国際機関や主要格付機関の多くが、両年ともにASEAN諸国の中で最大級の成長率となるが、政府目標の達成は難しいと見ている。

 フィリピンのGDP実質成長率の推移と目標(2018年基準、単位:%)

16 17 18 19 20 21 22 23 24目標 25目標 26~28目標
伸び率 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 7.6 5.5 6.0~7.0 6.5~7.5 6.5~8.0
(出所:DBCC資料より作成、目標は2024年4月4日のDBCC設定数値)

 なおフィリピンでは、2024年第1四半期GDP統計発表に先立ち、5月7日に4月の総合消費者物価統計(インフレ統計)発表、5月8日には3月の雇用統計(失業率など)と3月の貿易統計発表が行われる。そして、5月16日には、フィリピン中央銀行(BSP)の最高政策決定機関である金融委員会(MB)の定例会合が開催されるなど重要な経済イベントが続く。