東京センチュリー、比の車両リース事業基盤拡充

地場ダイヤモンドIGBの買収完了、首位オリックスに迫る

2024/05/24

 東京センチュリー(本社:東京都千代田区)は、5月24日、「フィリピンのグループ企業であるBPIセンチュリー トーキョー レンタル社(BPICTR、本社:マカティ市)は、地場の大手独立系オートリース会社であるDiamond IGB Inc.(ダイヤモンドIGB、本社:マニラ首都圏パラニャーケ市)およびグループ会社2社の事業買収を2024年5月23日付で完了した」と発表した。

 BPICTRは、東京センチュリーが51%、アヤラ財閥傘下のフィリピン大手拡大商業銀行であるバンク オブ ザ フィリピン アイランズ(証券コード:BPI)が49%出資するBPIセンチュリー トーキュー リース&ファイナンス社(BPICTL、本社:マカティ市)の100%子会社として、マニラを拠点にオートを中心とするオペレーティング・リースをフィリピン全土に展開している。

 一方、1980年設立のダイヤモンドIGBは、地場大手独立系リース会社として、フィリピン全土で車両のリース・レンタルを提供するとともに、グループ会社であるDiamond Fleet Solutions Services Inc.(DFSSI)にて車両管理を、Buenaflor Car Services Inc.(Pronto)にて車両の修理・メンテナンスを手掛け、車両に関する総合的なサービスを提供してきた。ダイヤモンドIGBの2022年の売上高は4億9,000万ペソ、経常利益は1億1,400万ペソ、売上高経常利益率は23%であったと推定される。高い経常利益率が特徴である。

 今回の案件は、買収用に設立した新会社ブリリアント カーレンタル コーポレーション(ブリリアント、本社:パラニャーケ市、代表者:松尾 智氏)がダイヤモンドIGBグループの事業を譲り受けた後、BPICTRがブリリアントの株式100%を取得というものである。今後ブリリアントはBPITCRの完全子会社として営業を開始する。BPITCRは、Diamond Rent-a-Carのブランド力を活用し、運転手付き車両リース、車両の短期レンタル等、車に関連する各種の高品質なサービスをワンストップで提供することにより、これまで以上に顧客のニーズに応えて行く方針である。

 業界第2位のBPICTRが業界第3位のダイヤモンドCTRグループを買収、業界第2位の地位を確固たるものとしてサービス拡充によりトップを目指す。今回の買収契約が締結された2023年3月時点の運用車両台数はBPICTRが約7,500台、ダイヤモンドIGBが約1,000台で合計8,500台、首位のオリックスレンタルの保有台数は約1万台と推定される。

 今回の買収により、海外オートビジネスに強みを有する東京センチュリーとフィリピンの大手拡大商業銀行として強固な営業基盤を有するBPIの合弁会社であるBPICTRに、オートビジネス専業として培ってきたダイヤモンドIGBグループの短期レンタル、シャトルサービス、運転手付リース、車両管理事務等の質の高いオートサービスが加わり、コア事業であるオートリースの付加価値を高め、これまで以上に顧客のニーズに応えることが可能となった。