日米連携でフィリピン沿岸警備隊の能力向上を支援

海上保安庁MTC派遣、「自由で開かれたインド太平洋」へ

2024/05/29

 5月28日、日本の海上保安庁は、「2024年5月12日から25日までの間、国際協力機構(JICA)の枠組みの下、外国海上保安機関に対する海上保安能力向上支援の専従部門『海上保安庁Mobile Cooperation Team(MCT)』3名をフィリピンに派遣し、米国沿岸警備隊(USCG)と連携してフィリピン沿岸警備隊(PCG)等に対する能力向上支援を実施した」と発表した。

 本件は、2024年4月に行われた日米比首脳会談において合意された「海上保安機関間の連携・協力を通じた海上保安協力を引き続き強化する」趣旨に合致するものである。

 MCTは、日米の海上保安機関が連携して実施する立入検査官研修に訓練指導員として参加し、PCG等に対して制圧訓練を実施した。同研修には、MCTのほか、USCGの招聘により、PCG、マレーシア海上法令執行庁、タイ海上警察の職員がインストラクターとして参加し、5カ国の連携によりPCG及びフィリピン国家警察の職員に対する能力向上支援を実施した。

 今回のフィリピンに対する能力向上支援では、日米海上保安両機関における共同の取組「SAPPHIRE(サファイア)」として、米国沿岸警備隊(USCG)の支援プログラムと連携した支援を実施した。日米両機関における共同取組を「SAPPHIRE(サファイア)」と呼称し、2024年に実施する取組を「SAPPHIRE24」と表記している。SAPPHIREの日本語訳は、「法の支配の取組における誠実と仁愛に基づいた平和と繁栄のための強固な連携」である。

 なお、日米の海上保安機関である海上保安庁及びUSCGは、様々な機会を通じて連携・協力関係の強化を図るとともに、日米両海上保安機関間の取組SAPPHIREを推進することで、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向け、インド太平洋地域の海上保安機関に対する能力向上支援を行っている。海上保安庁は今後も、FOIPの実現に向け、各国の海上保安機関と連携・協力を強化していくとともに、インド太平洋地域の海上保安機関の能力向上支援に積極的に取り組んで行く方針である。