金属鉱物生産額、第1四半期は13%減の518億ペソ
金のシェア52%で首位、ニッケル類市況下落で2位に後退
2024/05/31
フィリピン鉱山地勢局(MGB)は、5月30日、2024年第1四半期(1~3月)のフィリピン鉱物生産レポートを発表した。それによると、当期の金属鉱物生産額は前年同期比(以下、同様)12.8%減の518億1,000万ペソと二桁の減少となった。これは主に金属市況の下落と鉱山生産量の減少に起因する。
総生産額へのシェアは、金が52.0%(生産額269億5,000万ペソ)で首位となり、2位はニッケル鉱石とその他ニッケル副産物グループの33.8%(約175億ペソ)、3位は銅の12.2%(63億ペソ)。銀+クロム鉄鉱+鉄鉱石グループは2.1%(10億6,000万ペソ)だった。
金属価格に関しては、金の平均価格が2,070.05米ドル/トロイオンス(TOZ)で、前年同期の1,889.05米ドル/TOZから181米ドル上昇した反面、ニッケル、銅、銀の価格は下落した。ニッケル鉱の平均価格は7.53米ドル/ポンド(前年同期11.78米ドル/ポンド)、銅は3.83米ドル/ポンド(同4.05米ドル/ポンド)、銀は22.85米ドル/TOZ(同22.94米ドル/TOZ)。
生産量・生産額に関しては、金の生産量は14%減の7,178キログラム(kg)、生産額は3%減の269億5,000万ペソ。生産量トップはPhilippine Gold Processing and Refining Corp.(PGPRC、マスバテ州)の1,548kgだった。銀の生産量は6%減の1万0,603kg、生産額は1%増の4億5,300万ペソ。トップは、TVI Resources Development (Phils.)のBalabag Gold-Silver事業(南サンボアンガ州)の4,336㎏。
ニッケル鉱の生産量は17%減の381万4,450ドライメトリックトン(DMT)、生産額は36%減の76億3,000万ペソ。稼働している36のニッケル鉱山のうち、Rio Tuba Nickelなど14鉱山で生産が記録されたが、22鉱山では、悪天候や保守管理計画による操業停止などで生産活動が行われなかった。ニッケル・コバルト混合硫化物に関しては、Coral Bay Nickel Corp.とTaganito HPAL Nickel Corp.(THPAL)の合計生産量は8%増の2万0,335DMT、合計生産額は20%減の98億2,000万ペソ。
銅の生産量は4%増の6万7,582DMT、生産額は3%減の63億ペソ。現在、フィリピンで銅を生産しているのはカルメン カッパー(CCC)、オセアナゴールド、フィレックス マイニングの3社である。CCCの生産量は4万2,976DMTと全体の64%を占めている。
現在、国内の鉱物保護区内に、20のニッケル鉱山プロジェクトと1クロム鉱山プロジェクトの計21の鉱山プロジェクトを抱えている。
24年第1四半期の金属鉱物の総生産額への地域別生産額
(出所:フィリピン鉱山地勢局資料より)
フィリピンの金属鉱物生産 第1四半期の比較(生産額:百万ペソ)
(出所:フィリピン鉱山地勢局資料より、DMT:ドライメトリック トン、MT:メトリック トン)
総生産額へのシェアは、金が52.0%(生産額269億5,000万ペソ)で首位となり、2位はニッケル鉱石とその他ニッケル副産物グループの33.8%(約175億ペソ)、3位は銅の12.2%(63億ペソ)。銀+クロム鉄鉱+鉄鉱石グループは2.1%(10億6,000万ペソ)だった。
金属価格に関しては、金の平均価格が2,070.05米ドル/トロイオンス(TOZ)で、前年同期の1,889.05米ドル/TOZから181米ドル上昇した反面、ニッケル、銅、銀の価格は下落した。ニッケル鉱の平均価格は7.53米ドル/ポンド(前年同期11.78米ドル/ポンド)、銅は3.83米ドル/ポンド(同4.05米ドル/ポンド)、銀は22.85米ドル/TOZ(同22.94米ドル/TOZ)。
生産量・生産額に関しては、金の生産量は14%減の7,178キログラム(kg)、生産額は3%減の269億5,000万ペソ。生産量トップはPhilippine Gold Processing and Refining Corp.(PGPRC、マスバテ州)の1,548kgだった。銀の生産量は6%減の1万0,603kg、生産額は1%増の4億5,300万ペソ。トップは、TVI Resources Development (Phils.)のBalabag Gold-Silver事業(南サンボアンガ州)の4,336㎏。
ニッケル鉱の生産量は17%減の381万4,450ドライメトリックトン(DMT)、生産額は36%減の76億3,000万ペソ。稼働している36のニッケル鉱山のうち、Rio Tuba Nickelなど14鉱山で生産が記録されたが、22鉱山では、悪天候や保守管理計画による操業停止などで生産活動が行われなかった。ニッケル・コバルト混合硫化物に関しては、Coral Bay Nickel Corp.とTaganito HPAL Nickel Corp.(THPAL)の合計生産量は8%増の2万0,335DMT、合計生産額は20%減の98億2,000万ペソ。
銅の生産量は4%増の6万7,582DMT、生産額は3%減の63億ペソ。現在、フィリピンで銅を生産しているのはカルメン カッパー(CCC)、オセアナゴールド、フィレックス マイニングの3社である。CCCの生産量は4万2,976DMTと全体の64%を占めている。
現在、国内の鉱物保護区内に、20のニッケル鉱山プロジェクトと1クロム鉱山プロジェクトの計21の鉱山プロジェクトを抱えている。
24年第1四半期の金属鉱物の総生産額への地域別生産額
地域 | 鉱物品目 | 推定生産額 | |
金額(億ペソ) | シェア(%) | ||
ミマロパ | ニッケル鉱、ニッケル・コバルト混合硫化物 | 92.5 | 17.9 |
カラガ | 金・銀・ニッケル鉱、ニッケル・コバルト混合硫化物、スカンジウム・オキサラート、クロム鉄鉱 | 87.7 | 16.9 |
第2:カガヤンバレー | 銅・金・銀・ニッケル鉱 | 72.5 | 13.7 |
第5:ビコール | 金・銀 | 58.4 | 11.3 |
第5:中央ビサヤ | 銅・金・銀 | 47.4 | 9.1 |
コルディリェラ行政区 | 銅・金・銀 | 30.2 | 5.8 |
第11:南ミンダナオ | 金・銀・ニッケル鉱 | 26.2 | 5.1 |
第9:西ミンダナオ | 金・銀 | 13.7 | 2.6 |
第3:中央ルソン | 鉄鉱石・ニッケル鉱 | 13.1 | 2.5 |
第8:東ビサヤ | クロム鉱・鉄鉱石・ニッケル鉱 | 3.4 | 0.7 |
中央銀行の金購入 | 金 | 73.0 | 14.4 |
合計 | - | 518.1 | 100.0% |
フィリピンの金属鉱物生産 第1四半期の比較(生産額:百万ペソ)
品目 | 単位 | 2023年 | 2024年 | 伸び率(%) | |||
生産量 | 生産額 | 生産量 | 生産額 | 量 | 額 | ||
金 | kg | 8,381 | 27,908 | 7,178 | 26,951 | -14 | -3 |
銀 | kg | 11,329 | 449 | 10,603 | 453 | -6 | 1 |
銅精鉱 | DMT | 64,730 | 6,502 | 67,582 | 6,298 | 4 | -3 |
ニッケル直接船積鉱石 | DMT | 4,573,945 | 11,845 | 3,814,450 | 7,632 | -17 | -36 |
ニッケル・コバルト混合硫化物 | DMT | 18,831 | 12,256 | 20,335 | 9,817 | 8 | -20 |
スカンジウム・オキサラート | Dry-kg | 4,383 | 69 | 3,423 | 55 | -22 | -20 |
クロム鉄鉱 | DMT | 20,496 | 250 | 31,286 | 527 | 53 | 111 |
鉄鉱石 | DMT | 33,497 | 111 | 24,864 | 82 | -26 | -26 |
合計 | - | - | 59,390 | - | 51,814 | - | -12.8 |