比の男女平等度は世界25位、アジアでは依然断トツ

前年からは9ランク急落、教育機会で1位、健康・寿命で86位

2024/06/14

 スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」は、6月11日、世界各国の政治、社会、経済面での男女格差を総合的に評価した「世界男女格差報告書(ジェンダーギャップレポート)2023年版」を発表、そのなかで、男女平等度を指数化、ランキングしている。
 
 男女平等度ランキングは、1.経済活動への参加・機会、2.教育機会、3.健康・寿命、4.政治参加・関与という4大分野(各分野にはさらに細分化された調査項目がある)で男女平等度を分析、順位付けをおこなっている。0が完全不平等、1が完全平等を示し、数値が小さいほどジェンダーギャップが大きい。18回目となる2024年の調査対象は146カ国(2023年も146カ国)であった。

 2024年世界男女平等度(ジェンダー較差が少ない)トップ10は、1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位ニュージーランド、5位スウェーデン、6位ニカラグア、7位ドイツ、8位ナミビア、9位アイルランド、10位スペインとなった。

 東アジア諸国は、フィリピン25位、シンガポール48位、タイ65位、ベトナム72位、モンゴル85位、東ティモール86位、ラオス89位、韓国94位、インドネシア100位、カンボジア102位、ブルネイ105位、中国106位、マレーシア114位、日本118位とランクされている。日本は2023年の125位からは7ランク上昇したが、依然東アジアで最下位であった。労働所得の男女較差が大きいこと、女性管理職や議員数の比率が低いことや女性首相を出していないこともあって、今回も主要先進国の中で最下位だった。
 
 フィリピンは146カ国中25位で前年(16位/146カ国)から9ランク急低下したが、依然アジアでは断トツであった。ちなみに、2006年~2008年が6位、2009年と2010年が9位、2011年と2012年が8位、2013年が5位、2014年が9位、2015年と2016年が7位、2017年が10位、2018年が8位、2019年が16位、2020年16位、2021年17位、2022年19位、2023年25位と推移している。

 フィリピンは2019年にトップ10から転落、そして、2024年はトップ20からも転落となった。但し調査対象の国の数は115カ国~156カ国と異なっている。

 2024年のフィリピンの4大分野別指数(サブ指数)は、経済活動への参加・機会20位(前回17位)、教育機会1位(前回32位)、健康・寿命86位(前回86位)、政治参加・関与34位(前年30位)となっている。教育機会平等度では1位へと躍進した。経済活動への参加・機会や政治参加・関与が低下した。また、健康・寿命出のランクがかなり低かった。