オカダ・マニラ運営のTRLEI、セブのカジノリゾート買収中止

ウデンナ系エメラルド・ベイ・リゾート取得の基本合意書を解除

2024/07/02

 娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(UE、本社:江東区)は、7月1日、フィリピン子会社によるセブの統合型リゾート(IR)事業(エメラルド・ベイ・リゾートプロジェクト)買収を中止したと発表した。

 フィリピンでIR施設『オカダ・マニラ』を運営する連結子会社Tiger Resort, Leisure and Entertainment, Inc.(TRLEI)は、2023年12月8日、フィリピン証券取引所(PSE)上場企業PHリゾーツ グループ ホールディングス(PHR)の子会社PHトラベル アンド レジャー ホールディングスと、その子会社で、セブで統合型リゾート(IR)「ザ・エメラルドベイ・リゾート」を開発中のラプラプ レジャー社(LLI)とラプラプ ランド社(LLC)2社を買収するための基本合意書を締結した。

 PHRは2017年にPAGCOR(フィリピンカジノ運営公社)よりゲーミング暫定ライセンスを取得し、セブ州ラプラプ市マクタン島に位置するエメラルド・ベイ・リゾートの開発を進めていたが、コロナ渦の影響により中断していた。その後、TRLEIとPHTは、TRLEIが様々な条件を満たした上で、エメラルド・ベイ・リゾートプロジェクトを取得し、既に一部開発されたエメラルド・ベイ・リゾートを完成させるという基本合意書を2023年12月8日付で締結し、最終契約書は2024年7月。

 しかし、TRLEIは、2024年7月1日付でPHRに対し、基本合意書に定める一定のクロージング条件が充足されない、または充足されることができないため、基本合意書を解除する旨を通知した。今回の中止に伴うUEの2024年12月期通期連結業績に与える影響は軽微とのことである。

 PHRは、デニス・ウイ氏率いるウデンナグループ傘下のゲーミングおよび観光・娯楽関連持株会社である。そのリゾートプロジェクトは、セブにおける象徴的で豪華な5ツ星統合型リゾートとして、マニラ首都圏にあるエンターテインメント・シティ以外ではフィリピン随一のエンターテインメント・デスティネーションとなる予定であった。エメラルド・ベイ・リゾートは、300メートルのビーチフロントに隣接する5ツ星ホテル、642の客室を収容する2棟の15階建てタワー、4つのプール、18の飲食店、小売スペース、MICE施設、700台以上の電子式ゲーム機(EGM)と140台以上のカジノテーブルを備えた大規模なゲーミングフロアで構成され、2027年の開業を目指すと発表されている。