比ローソン今上半期も順調に拡大、6月末169店に

前年同月末から60%増、後発だが唯一の日本資本コンビニ

2024/07/11

 フィリピンで唯一の日本資本によるコンビニエンスストアチェーンとなったローソン フィリピンの店舗数が、後発ながら着実に増加している。

 比ローソンの店舗数は、表1、表2のように推移している。新型コロナパンデミック禍の2020年と2021年はやや伸び悩んだが、2022年以降は増加ピッチが高まっている。2021年末の68店から2022年末100店、2023年末136店と着実に増加している。2024年6月末の店舗数は169店に達し、前年同月末の106店から63店、率にして59.4%増加した。前月(2024年5月)末からも8店増加した。上半期では33店増加した。
 
 株式会社ローソンは、当初、現地の有力小売企業ピュアゴールド プライスクラブ(ピュアゴールド、証券コード:PGOLD)との合弁でフィリピンでのコンビニ事業を開始した。両社は、2014年5月にPGローソンを設立、出資比率はピュアゴールド70%、ローソン(ローソン アジア・パシフィック)30%となっていた。そして、フィリピンのローソン1号店を、2015年3月30日、マニラ市サンタアナ・フランシスコ通りオープンした。その後、ピュアゴールドは、2018年4月、PGローソン株式70%をローソン側に売却した。ローソンの比コンビニ事業の保有比率は100%に高まり、社名もローソン フィリピン(比ローソン)へと変更されたという経緯がある。

 なお、業界首位のフィリピン セブン-イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが55.322%(2024年3月末現在)を所有するフィリピン セブン社(証券コード:SEVN)によって運営されている。すなわち、現地資本と台湾資本による合弁企業である。ミニストップ フィリピン(現アンクルジョン)は、株式会社ミニストップが、2022年2月、保有株式40%全てをロビンソンズ リテール ホールディングス(証券コード:RRHI)グループに売却、資本撤退している。現在、RRHIグループが100%保有、ブランド名をアンクルジョンへと変更した。フィリピンファミリーマートも2018年にミンダナオ島拠点の石油製品販売大手フェニックス ペトロリアム フィリピン(証券コード:PNX、本社:ダバオ市)によって、完全買収された。

 表1.ローソン フィリピンの最近の店舗数推移
2022年 2023年 2024年
3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 1月 2月 3月 4月   5月  6月
店舗数 69 80 85 100 102 106 116  136 141 144 149 155   161  169
(出所:ローソンの月次報告書から作成)

 
表2.フィリピンでの日本ブランドのコンビニ店舗数(年末・月末値、現在資本的に日系はローソンのみ)
年・月 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年  22年  23年 24年3月  24年6月  
セブン-イレブン  1,282  1,602  1,995  2,285  2,550  2,864  2,978 3,073  3,393 3,768 3,829  N.A.
ファミリーマート 87 120 99 66 69 76 N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A.
ローソン 0 16 29 31 38 60 64 68 100 136  149  169
(出所:各社の店舗情報などから作成)