パナソニック現法(PMPC、PSE上場)、24年3月期は38%増益

コスト節減等で純利益2億7千万ペソ、売上高は6%減の143億ペソ

2024/07/16

 フィリピン証券取引所(PSE)に上場している、パナソニックのフィリピン製造拠点であるパナソニック マニュファクチャリング フィリピン(比パナソニック、証券コード:PMPC、会計期末3月)が、7月12日、2024年3月期(2023年4月~2024年3月)の年次報告書を発表した。
 
 2024年3月期については、6月14日に発表された速報推計値からは収益ともに上方改訂されている。また、22年3月期、23年3月期についても下表のように修正されている。

 24年3月期の売上高は前年度比(以下同様)6.1%減の142億5,125万ペソにとどまった。国内販売に関しては、高インフレや高金利に伴う家計消費の伸び悩み、中国製品との競争激化で冷蔵庫、エアコン、洗濯機の売上が伸び悩んだ。また、エアコンの輸出も減少した。

 24年3月期の売上高のうち、消費者向け製品が136億8,698万ペソで全体の96%を占めた。輸出比率は18.1%であった。製品別売上比率はエアコンが37.2%、冷蔵庫が36.2%、洗濯機が13.6%、テレビが1.7%、その他が11.3%であった。
 
 減収ではあったものの、製造原価節減で粗利益は6.4%増の26億9,559万ペソへと増加した。金利収入などその他収入が11.9%増加したことなどで、税引き前利益は31.5%増の3億3,642万ペソへと二桁増加した。所得税費用が8.8%増にとどまったこともあって、純利益は38.2%増の2億7,250万ペソに達した。
 
 PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)であり、昨年創業60周年を迎えた。FMCは、1965年、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ・エレクトリック・フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。

 1983年1月には、フィリピン証券取引所(PSE)に上場された。すなわち、昨年1月に上場40周年を迎えた。現在、PMPCは額面1ペソの普通株式を約4億2,272万株発行している。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株約8,472万株が上場されている。2024年7月15日の終値は5.34ペソであった。浮動株比率は14.93%、日本のパソニック本社のPMPC保有比率は2024年3月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。

 パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピン年間業績推移(単位:万ペソ、22年3月期以降は修正値)
項目 21年3月期 22年3月期 23年3月期 24年3月期  24年3月期伸率 
売上高 1,088,310 1,259,053 1,517,832  1,425,125 -6.1% 
粗利益 256,628 250,411 253,339  269,559 6.4% 
税引前利益 47,865 20,184 25,589 33,642 31.5%
所得税費用 12,063 7,793 5,876  6,392 8.8%
純利益 35,802 12,392 19,713   27,250 38.2%
(出所:PMPCの年次報告書などより作成)