太平洋セメント、7月18日にセブの新プラント竣工式

投資額128億ペソ、生産能力40%増、CO2排出原単位10%削減

2024/07/19

 太平洋セメント(本社:東京都文京区)の連結子会社であるタイヘイヨウセメント フィリピン(TCPI社、本社:セブ州サンフェルナンド町)における生産ライン更新(増設と先端化)が完工、7月18日に竣工式が開催された。

 太平洋セメントは、フィリピン法人のTCPI社を海外セメント事業における重要な生産拠点と位置付け、世界的にも最先端の技術を採用した最新鋭の生産ラインを導入。新ライン導入の総投資額は約128億ペソ、セメント生産能力を40%増の年間約300万トンに増強とのことである。また、将来、年間販売量500万トン、販売シェア10%以上を目指していく。

 TCPI社に導入されつつある新生産ラインはエネルギー効率が高く、従来に比べてエネルギー由来のCO2排出原単位を10%以上削減することが可能となる。また新生産ラインでは強度発現性の高いクリンカを生産することが可能となり、セメント製造に使用するクリンカ比率を削減することでさらなるCO2排出原単位の削減も期待できる。

 この新生産ラインは2022年8月に着工され、約2年間で完工・稼働となる。2021年6月には、国際協力銀行(JBIC)や民間銀行との間で、設備増強のための275億円の協調融資(JBIC分165億円)契約が締結された。

 また、太平洋セメンㇳは、2023年8月8日、TCPI社によるルソン島でのセメントターミナル新設が決定されたと発表した。このターミナルの新設により、フィリピン国内で最大のセメント消費地であるルソン島向けに年間70万トンのセメントを供給することが可能となる。ルソン市場には、近年需要の高まりを見せている混合セメントを積極的に輸送し販売する計画であり、このターミナルの活用が進むことで太平洋セメントグループとしてCO2排出原単位の削減も期待できる。あわせて、ターミナル新設を契機に、フィリピン事業の将来を見据えた海上物流体制の強化も検討しており、総投資額としては100億円程度を見込んでいる。

<TCPI社の概要>
・名称:タイヘイヨウセメント フィリピン株式会社
・所在地:フィリピン共和国 セブ州 サンフェルナンド町
・資本金:135億6,900万ペソ、太平洋セメントが100%出資