上半期決算発表開始、先陣のアヤラ系銀行BPIは23%増益

純利益306億ペソ、ROE15.5%、総資産16%増加3兆ペソ突破

2024/07/19

 2024年上半期(1月~6月)の決算発表シーズン入りとなった。まず、アヤラ財閥傘下の有力拡大商業銀行バンク オブ ザ フィリピン アイランズ(証券コード:BPI)が、7月18日、2024年上半期の決算速報を発表した。

 BPIの今上半期の総収入は前年同期比(以下同様)23.8%増の812億ペソ。主力の純金利収入が22.2%増の613億ペソと増収に寄与した。平均融資残高は18.4%増加し、純金利率は23ベイシスポイント(bp)拡大して4.26%となった。サービス・手数料収入など非金利収入は28.7%増の199億ペソ、そのうち手数料収入は28.8%増の170億ペソに達した。

 一方、営業費用は、人件費、取引処理費、技術費の増加により、21.9%増の383億ペソとなり、費用収入比率は47.1%となった。

 堅調な収入に加え、持続的なプラスの営業レバレッジにより、純利益は21.5%増の306億ペソとなった。

 年率換算の自己資本利益率(ROE)は15.5%、総資産利益率(ROA)は2.0%だった。上半期の1株当たり利益(EPS)は5.80ペソで、前年同期の5.09ペソから14.0%増加。これはBPIとRBCの合併による追加発行株を考慮したものである。
 
 2024年6月末の総融資残高は18.0%増の2兆ペソ。個人向け融資、法人向け融資、マイクロファイナンス全てのポートフォリオで持続的な成長が続いたことによる。一方、受入預金残高は14.4%増の2兆5,000億ペソ。そのなかで、コストの低い当座預金・貯蓄口座(CASA)の全預金残高に占める比率は64.7%、預貸率(LDR)は82.8%となった。6月末現在の総資産は15.8%増の3兆1,000億ペソ、株主資本は4,065億ペソへと増加した。

 バーゼルⅢ基準でのリスク加味自己資本比率(CAR)は15.0%で中央銀行の最低基準10%を大幅に上回っている。また、補完資本(TIER2)を除いた普通株式中核自己資本(CET1)比率も14.2%と良好で中央銀行の最低基準を大幅に上回っている。一方、不良債権(NPL)比率は2.20。NPL貸倒引当率は127.6%。