中国BYD(比亜迪)、プラグイン ハイブリッド車を発売

海獅6を約155万ペソで、比市場で攻勢、アヤラ等と協働

2024/07/29

 中国のBYD(比亜迪、本社:広東省深圳市)が、フィリピン市場でも大攻勢をかけつつある。

 BYDフィリピンは、7月25日、2024年モデルのBYDシーライオン(海獅)6を発表した。海獅は小型クロスオーバースポーツ多目的車(SUV)であるが、注目されるのは、純粋EVではなく、プラグインハイブリッド(PHEV)車であり、1.5Lエンジンと18.3kWhのBladeバッテリーが搭載されている。

 海獅6は合計217PSと325Nmのトルクを発揮し、0から100km/hまでの加速は8.3秒と発表している。EVモードとレンジエクステンドモード(HEVモード)の2つのドライブモードを切り替えることができ、最大で1,100kmの航続距離および最大100kmの完全EV走行距離を実現とのことである。パノラマサンルーフなどでプレミアム感を醸し出そうとしている。

 安全面では、先進運転支援システム(ADAS)を備えており、インテリジェントクルーズコントロール(トラフィックジャムアシスト付き)、前方衝突警告および自動緊急ブレーキ、車線維持支援、車線逸脱支援、交通標識認識機能などが装備されているとのことでもある。この海獅6のバリアントは1つのみで、価格は154万8,000ペソである。

 なお、フィリピンでのBYD車公式販社はアヤラ財閥傘下の自動車販売会社であるACモビリティーズ(ACM、ACモーターズから社名変更)。ACMは、BYD販社を2024年末までに22店、その後5年間で40店を展開する方針を打ち出している。

 また、東京センチュリーのフィリピン子会社であるBPIセンチュリー トーキョー(BPICT、本社:マカティ市)は、今年4月、BYDフィリピンとの間で両社の共同マーケティング活動に関する協業契約を締結した。今後、両社間でEVフルサービス・オペレーティング・リース(FSOL)、短期レンタル、フロアプラン・ファイナンス等を検討していく。

 一方、配車サービスのグラブ フィリピン(Grab Philippines)とBYDは、今年6月、交通ネットワーク車両サービス(TNVS)においてEV利用の実現可能性を試験するためのパイロット研究に関するパートナーシップを締結したと発表した。

 さらに、アボイティス財閥傘下の大手電力企業であるアボイティスパワー(証券コード:AP)は、2023年8月、電気自動車(EV)フリート転換プログラムを開始した。APは、このプログラムのもとで、2030年までにグループの配電企業(DU)の社用車・バイクの40%をEV車両に、2040年までに100%をEV車両に転換することを目標としている。まずは、主要DUであるビサヤ エレクトリック、ダバオライト、コタバトライトにEVを導入する。導入するのは、BYDのEVと予定されている。