創業40周年の比セブン-イレブン好調、上半期14%増益

3,926店で業界断トツ、間もなく4千店、26年央に5千店へ

2024/08/14

 フィリピンのコンビニエンスストア(コンビニ)首位のフィリピン セブン-イレブン(比セブン-イレブン)は、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが55.322%(2023年12月末現在)を保有するフィリピン セブン社(証券コード:SEVN)によって運営されている。

 SEVNは1982年11月に設立され、1998年2月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。1984年2月にケソン市エドサ通り沿いに1号店をオープンした。すなわち、今年創業40周年を迎えたのである。
 
 SEVNの2024年上半期(1月~6月)事業報告書によると、比セブン-イレブンの2024年6月末の店舗数は3,926店、2023年末の3,768店から158店、率にして4.2%の純増となった。当上半期に178店をオープン、20店を閉鎖した。1年前の2023年6月末の3,538店からは388店、率にして11.0%の純増である。そして、コンビニ業界断トツの店舗数となっている。
 
 2024年6月末の3,926店の地域別内訳は、マニラ首都圏1,103店、首都圏以外のルソン地域1,820店、セブを中心とするビサヤ地域572店、ダバオを中心とするミンダナオ地域431店。全体では自営店が2,042店(52%)、フランチャイズ店が1,884店(48%)となっている。

 創業40周年を迎えた2024年は年間で450店を出店予定、2024年後半に4,000店に到達しそうである。特に、ミンダナオやビサヤ地方での出店に注力する方針。2024年の設備投資額は45億ペソと予定している。その後も積極出店し、創業42周年の2026年央に5,000店到達を目標としている。
 
 SEVNの業績も好調に推移している。2023年は2年連続で過去最高益を大幅更新したが、2024年も続伸基調。2024年上半期のグループ総売上高は前年同期比(以下同様)18.6%増の459億ペソに達した。既存店売上高は7.4%増加した。営業収入は18.8%増の440億ペソ、営業利益は9.9%増の25億6,000万ペソ、そして純利益は14.0%増の17億6,400万ペソと増収増益だった。

 フィリピン地域別のセブン-イレブン店舗数推移(単位:百万ペソ)
場所 23年末  24年H1純増数 24年H1末
マニラ首都圏 1,094 9 1,103
ルソン地方(首都圏除く) 1,730 90 1,820
ビサヤ地方 541 31 572
ミンダナオ地方 403 28 431
合計 3,768 158 3,926
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 
フィリピンセブン-イレブン既存店の増収率の推移
年/四半期 Q1 Q2 Q3 Q4 年間
2024 +8.7% +7.4% - - -
2023 +23.3% +11.1% +13.0%  +9.5% +13.0%
2022 +16.1% +39.2% +35.2%  +26.6% +28.8%
2021 -20.1% -5.1% +3.4% +8.5% -4.6%
2020 +2.5% -25.5% -25.2% -23.7% -18.4%
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 
フィリピンセブン-イレブン店舗数(年末値、24年は6月末値)とPSC純利益推移(単位:百万ペソ)
時期 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年H1
店舗数 2,285 2,550 2,864 2,978 3,073  3,393 3,768 3,926
純利益 1,318 1,532 1,445 -420 -461 2,057 3,483 1,764
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 
主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末値、24年は四半期末値、資本的に日系はローソンのみ)
年・月 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年Q1 24年Q2
セブン-イレブン 2,285 2,550 2,864 2,978 3,073  3,393 3,768  3,829 3,926
ファミリーマート 66 69 76 N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A.
ローソン 31 38 60 64 68 100 136  149  169 
 (出所:各社の店舗情報などから作成)