フィリピン初の自動運転バス、日本の技術で運行開始

ニュークラークシティ等で、ゼンモブの実証試験の一環

2024/09/12

 中部ルソン島のパンパンガ州やタルラック州にまたがるニュークラークシティなどで、日本の技術によるフィリピン初の自動運転バスの運行が開始された。このバスはニュークラークシティ、クラークフリーポートゾーン、そしてクラーク国際空港を走行しており、2025年6月までの間は無料で利用することができる。この運行は「エネルギー効率の高いスマートな公共交通システムの実証実験」の一環である。

 既報のとおり、日本の運輸分野の情報技術(IT)ソリューションプロバイダーであるZenmov(ゼンモブ、本社:東京都目黒区)、フィリピンのMCメトロ トランスポート オペレーション社(MCメトロ社)、フィリピン基地転換開発庁(BCDA)は、9月10日、中部ルソン島のニュークラークシティなどでの「エネルギー効率の高いスマートな公共交通システムの実証実験」を開始した。

 この2年間の実証プロジェクトでは、スマートモビリティ・オペレーション・クラウド(SMOC)を利用して、ニュークラークシティ、クラーク自由港区、クラーク国際空港民間航空コンプレックスのルートで、「ラストワンマイル」サービスであるプライマリー・ラピッド・トランジットと呼ばれる新しい公共交通システムを運行する。このアプリケーションにより、ゼンモブは、公共交通サービスシステムの有効性を測定・検証、交通需要データに基づく無駄のない配車システムを管理することで、車両数を最小限に抑えながら運行効率を最大化することを目指す。

 SMOCアプリケーションの利用を補完するため、ゼンモブとMCメトロ社は17台の低炭素電気自動車などを配備、スマートポール、ドローン、充電ステーションなどを設置し、交通管理に関するリアルタイムのデータ収集と発信を行う。この電気自動車17台のうちの1台が上記の自動運転バスである。