比トヨタ自動車、製造廃棄物を持続可能な空間に変換

リサイクル素材活用による食堂「シクロ・ベルデ」を開設

2024/09/13

 トヨタ自動車のフィリピンでの製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP、所在地:ラグナ州サンタロサ市トヨタ特別経済区)は、サンタロサ市の製造工場で、リサイクル素材で作られた新しい企業施設を最近公開した。このプロジェクトは、同社が資源消費を削減し、車両製造廃棄物を効果的に管理するための広範な取り組みの一環である。

 気候変動や資源枯渇への対応として、トヨタは全ての業務および車両のライフサイクルにおいて資源の使用を最小限に抑える「車両ライフサイクルアクション」と適切な廃棄物管理に注力している。

 このアプローチの一環として、TMPは製造工程で発生する副産物の再利用を促進するアップサイクリングを導入している。加えて、製造プロセスや車両の設計改善、リサイクル、適切な廃棄物の分別・処理、使い捨てプラスチックの禁止など、既存の廃棄物削減活動も行っている。

 具体的には、TMPは36周年を記念して持続可能な食堂「Ciclo Verde(シクロ・ベルデ)」を発表した。ここでは、TMPの製造工場で発生した廃材を利用したリサイクル家具が提供され、社員や来賓に利用されている。

 食堂のテーブルやハイバーテーブルはワイヤースプールや長方形の金属チューブで作られ、ダイニングチェアやプランターラック、壁の仕切りは木製パレットで製作されている。廃棄された車のシートは長いソファに再利用され、ゴムタイヤやホイールは水の噴水、オットマンシート、コーヒーテーブル、壁の装飾として加工されている。

 TMPはまた、トヨタECOディーラーシッププログラムやトヨタグリーン購入ガイドラインに基づき、全国のディーラーやサプライヤーにも持続可能なソリューションの実践を奨励している。

 トヨタのグローバルな廃棄物削減と資源効率に関する方針は、2015年に発表された「トヨタ環境チャレンジ2050」の「チャレンジ5:循環型社会とシステムの構築」にまとめられている。さらに、トヨタは車両の廃棄時の管理(End-of-Life Vehicle:ELV)に重点を置き、車両解体施設の開発やハイブリッド車(HEV)バッテリーの回収・リサイクルを進めている。これにより、廃棄物処理による汚染を排除し、車両部品の寿命を延ばすことで、カーボンニュートラルの実現と気候変動の緩和を目指している。