ダブルドラゴンのホテル101、年内にナスダック上場期待

スペインでの建設・販売順調、ニセコでも建築環境認証取得

2024/09/27

 ジョリビー系不動産企業ダブルドラゴン(ダブルドラゴン、証券コード:DD)のシンガポール登録子会社であるHotel 101 Global Pte. Ltd.(ホテル101グローバル)の米国ナスダック証券取引所上場計画が進展している。DDは、9月26日、ホテル101グローバルは2024年第4四半期にナスダック上場実現が期待されると発表した。

 DDの自前ホテル「ホテル101」を展開するホテル101グローバルは、新たな上場方法として注目されているSPAC(Special Purpose Acquisition Company、特別買収目的会社)スキームにより、ナスダック証券取引所に上場する。SPACはその上場時点では自身の事業を有しない謂わばペーパーカンパニーであり、未上場企業の買収を行うために設立される。そして、上場時の調達資金で未上場企業を買収・合併することで、未上場企業の実業を組込み、結果として未上場企業を上場させることになる。

 ホテル101グローバルは、今年4月8日、SPACであるJVSPAC Aquisition Corp.(JVSPAC、ナスダック証券コード:JVSA)と最終的な企業統合契約(BCA)を締結した。この企業統合取引が完了すると、統合企業はナスダックにティッカーシンボル(証券コード)「HBNB」で上場されることになる。そして、DDグループの過半数所有子会社となる。企業統合取引完了後の資本価値は23億米ドル(約1,300億ペソ)を超えると見込まれている。SPACスキームでナスダック証券取引所に上場する最初のフィリピン企業となる。

 現在は、スペインのマドリード、北海道ニセコ、米国カリフォルニアで開業準備が進められている。スペインでは建設が順調に進み、一部のオーナーにはゴールデンビザ(非欧州市民向け居住許可証)の発給が開始された。今年8月にはホテル101ニセコが初の建築環境総合性能評価システム(CASBEE)認証を正式に取得した。2026年までには、フィリピン、日本、スペインのほか、米国、英国、UAE、インド、タイ、マレーシア、ベトナム、インドネシア、サウジアラビア、シンガポール、カンボジア、バングラデシュ、メキシコ、韓国、豪州、カナダ、スイス、トルコ、イタリア、ドイツ、フランス、中国という25カ国・地域に進出する予定である。

 「ホテル101」のコンドテル・コンセプトの特許出願はすでに完了しており、商標と国別ドメインが世界各国で確保されている。主な特徴は、基本的に各国のコンドテルともに500ユニット前後の規模であり、1部屋が21平米で統一され、レイアウト、バスユニット、照明機器類、アメニティー等が標準化されていることである。すなわち、Hotel101は、世界で最初で唯一の均一化された宿泊施設、または均一な一口サイズの投資対象ホテルといえよう。