9月の株価5.4%続伸、一時32カ月ぶりの高値に
比米等の利下げや出遅れ感で、9カ月間で12.8%上昇
2024/10/02
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2024年9月最終取引日(30日)の終値は7,272.65ポイントとなり、前月末から5.44%続伸した。月間ベースでは3カ月連続の上昇となった。9月の終値ベースでの最高値は26日の7,458.74ポイント、2022年2月9日の7,502.48ポイント以来、約32カ月ぶりの高値へと上昇した。最安値は4日の6,882.12ポイントだった。
9月は米国での利下げ期待や18日の0.5%利下げ決定、フィリピンの預金準備率大幅引き下げ決定や追加利下げ期待、他市場に比べての出遅れ感、外国人買い越し継続(前営業日買い越し)などにより強い動きとなった。月末にかけては、中東情勢懸念や利食いの動きで若干反落したが、月間では堅調な動きであった。
2024年9カ月間ではPSEiは12.75%上昇した。上半期は、日米など主要市場が一時最高値を更新するなど強い動きを続けるなかで、相対的に非常に弱い展開が続き、6カ月間では0.6%の下落であったが、7月、8月、9月の連続上昇により、9カ月間ではプラスに転じた。第3四半期の上昇率は13.42%に達した。
しかし、中国との対立激化、国内では現・前大統領の対立激化など地政学的懸念、固有の新規買い材料不足などにより本格回復には至らず、新型コロナ禍直前の水準をやっと上回る程度の上昇にとどまっている。
9カ月間の大分類セクター別指数は、サービス産業株(+39.02%)、金融株(+32.13%)、工業株(+6.99%)、不動産株(2.65%)、持株会社株(0.72%)が上昇し、鉱業・石油株(-13.25%)のみ下落した。サービス産業株は主力の通信企業のモバイルマネー事業への期待、金融株は好調な業績や預金準備率大幅引き下げ決定が好感されている。一方、金利敏感の代表格である不動産株は長ら下落基調が続き、今上半期も11.82%下落したが、8月と9月は利下げ期待や実際の利下げにより反発、9カ月間では僅かながらプラスとなった。
9カ月間の外国人投資家の買い越し日は111営業日だった(1月は17日、2月は20日、3月は12日、4月は5日、5月は4日、6月は5日、7月は13日、8月は14日、9月は21日)。上記のように、9月は全営業日買い越しだった。
9月末時点のPSE上場企業数は284社で、2023年末の283社から1社の純増にとどまっている。IPO(新規公募)・新規上場が3社であった一方、セブ ホールディングスとカジノ・娯楽関連企業であるプレミアム レジャー コーポレーションが上場廃止となったことによる。上場284社の業種別内訳は金融30社、工業74社、持株会社34社、不動産47社、サービス64社、鉱業・石油(資源開発)23社、中小企業(SME)ボード企業11社。
PSE指数の推移(指数は年末値/月末価、上昇率は年間/月間)
(出所:PSE資料より作成)
PSEセクター別株価指数上昇率と直近の株価収益率(PER)
(出所:PSE資料より作成、PERはPSE算出の9月29日時点数値)
9月は米国での利下げ期待や18日の0.5%利下げ決定、フィリピンの預金準備率大幅引き下げ決定や追加利下げ期待、他市場に比べての出遅れ感、外国人買い越し継続(前営業日買い越し)などにより強い動きとなった。月末にかけては、中東情勢懸念や利食いの動きで若干反落したが、月間では堅調な動きであった。
2024年9カ月間ではPSEiは12.75%上昇した。上半期は、日米など主要市場が一時最高値を更新するなど強い動きを続けるなかで、相対的に非常に弱い展開が続き、6カ月間では0.6%の下落であったが、7月、8月、9月の連続上昇により、9カ月間ではプラスに転じた。第3四半期の上昇率は13.42%に達した。
しかし、中国との対立激化、国内では現・前大統領の対立激化など地政学的懸念、固有の新規買い材料不足などにより本格回復には至らず、新型コロナ禍直前の水準をやっと上回る程度の上昇にとどまっている。
9カ月間の大分類セクター別指数は、サービス産業株(+39.02%)、金融株(+32.13%)、工業株(+6.99%)、不動産株(2.65%)、持株会社株(0.72%)が上昇し、鉱業・石油株(-13.25%)のみ下落した。サービス産業株は主力の通信企業のモバイルマネー事業への期待、金融株は好調な業績や預金準備率大幅引き下げ決定が好感されている。一方、金利敏感の代表格である不動産株は長ら下落基調が続き、今上半期も11.82%下落したが、8月と9月は利下げ期待や実際の利下げにより反発、9カ月間では僅かながらプラスとなった。
9カ月間の外国人投資家の買い越し日は111営業日だった(1月は17日、2月は20日、3月は12日、4月は5日、5月は4日、6月は5日、7月は13日、8月は14日、9月は21日)。上記のように、9月は全営業日買い越しだった。
9月末時点のPSE上場企業数は284社で、2023年末の283社から1社の純増にとどまっている。IPO(新規公募)・新規上場が3社であった一方、セブ ホールディングスとカジノ・娯楽関連企業であるプレミアム レジャー コーポレーションが上場廃止となったことによる。上場284社の業種別内訳は金融30社、工業74社、持株会社34社、不動産47社、サービス64社、鉱業・石油(資源開発)23社、中小企業(SME)ボード企業11社。
PSE指数の推移(指数は年末値/月末価、上昇率は年間/月間)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
2021年 | 7,122.63ポイント | -0.24% |
2022年 | 6,566.39ポイント | -7.81% |
2023年 | 6,450.04ポイント | -1.77% |
2024年 1月 | 6,646.44ポイント | 3.04% |
2月 | 6,944.71ポイント | 4.49% |
3月 | 6,903.53ポイント | -0.59% |
4月 | 6,700.49ポイント | -2.94% |
5月 | 6,433.10ポイント | -3.99% |
6月 | 6,411.91ポイント | -0.33% |
7月 | 6,619.09ポイント | 3.23% |
8月 | 6,897.54ポイント | 4.21% |
9月 | 7,272.65ポイント | 5.44% |
9カ月間 | - | 12.75% |
PSEセクター別株価指数上昇率と直近の株価収益率(PER)
項目 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年 | 24年上半期 | 24年9カ月間 | PER |
PSE指数 | -8.64% | -0.24% | -7.81% | -1.77% | -0.59% | 12.75% | 14.01倍 |
全株指数 | -8.11% | -10.64% | -9.33% | -1.08% | 1.81% | 14.43% | 13.16倍 |
金融株指数 | -22.32% | 10.95% | 2.42% | 5.71% | 10.68% | 32.13% | 9.58倍 |
工業株指数 | -2.51% | 10.76% | -10.12% | -2.94% | -0.99% | 6.99% | 14.52倍 |
持株会社株指数 | -3.13% | -7.44% | -5.49% | -5.09% | -9.06% | 0.72% | 10.59倍 |
不動産株指数 | -11.80% | -12.14% | -9.04% | -2.52% | -11.82% | 2.65% | 12.44倍 |
サービス業株指数 | -1.11% | 31.19% | -17.73% | -1.79% | 24.38% | 39.02% | 15.87倍 |
鉱業・石油株指数 | 17.75% | 0.77% | 12.57% | -7.48% | -15.19% | -13.25% | 12.45倍 |