石油販売のトップライン11月22日上場意向、SECが承認

IPO最大で32億ペソ弱、今年4社目、昨年の3社に続く低水準

2024/10/10

 セブを拠点とする石油製品販売企業であるトップライン ビジネスデベロップメント(トップライン)が、新規公募(IPO)、フィリピン証券取引所(PSE)への新規上場を目指している。この程、フィリピン証券取引委員会(SEC)がトップラインのIPO実施・新規上場計画を承認した。

 それによると、トップラインは2024年11月6日~11月12日にIPO実施、11月22日に新規上場と想定している。IPOにおいては最大40億4,800万株(増加オプション3億6,800万株含む)の普通株を、1株当たり最高で0.78ペソで売却する計画であり、調達額は最大で31億5,744万ペソとなる。なお、IPO条件や日程については、PSEの最終承認時に変更される可能性がある。IPOでの調達資金はガソリンスタンド増設や一般運転資金などに充当される。

 トップラインの2024年上半期(1月~6月)の売上高は前年同期比15%増の15億6,000万ペソ、純利益は同2.9倍の6億0,600万ペソに達したとのことである。

 なおフィリピン証券取引所(PSE)の上場企業数は低水準であるうえ、このところPSEの新規上場促進努力にもかかわらず伸び悩みが続いている。

 PSEにおける新規上場社数は、2014年7社、2015年から2017年までは各々4社、2018年は1社のみ、2019年と2020年も4社のみであった。2021年は8社、そして、2022年は10社(うち1社はIPOを経ないイントロダクション方式での上場)へと増加したが、2023年は3社にとどまった。なお、裏口上場は既存上場企業の衣替えであり上場企業数が増えるわけではない。正式な新規上場企業数増加が喫緊の課題といえよう。

 2024年も9カ月間で新規上場企業数は3社にとどまっている。上記もトップラインが4社めであり、2024年の新規上場企業数も低水準にとどまる可能性が高い。2024年9月末時点のPSE上場企業数は284社で、2023年末の283社から1社の純増にとどまっている。284社の業種別内訳は金融30社、工業74社、持株会社34社、不動産47社、サービス64社、鉱業・石油(資源開発)23社、中小企業(SME)ボード企業11社、上場投信(ETF)1社。
 
 2024年9カ月間の上場企業数の1社純増は、IPO(新規公募)・新規上場が上記のように3社であった一方、セブ ホールディングスとカジノ・娯楽関連企業であるプレミアム レジャー コーポレーションが上場廃止となったことによる。新規上場は5月13日の鉱山企業オセアナゴールド フィリピン(OGP)と6月7日の再生可能エネルギー企業であるシティコア リニューアブルエナジー(CREC)、7月16日の再生可能エネルギー企業であるネクスジェン(NexGen、証券コード:XG)である。

 なお、2023年1年間では上場企業数が3社純減、2023年末の上場企業数は283社へと減少した。2023年は上場廃止が6社(自主的上場廃止4社、強制的上場廃止2社)に達した一方、新規上場社数が3社にとどまったことによる。