マニラ地下鉄の建設進捗率15.6%、2028年に部分運行へ

バレンスエラからノースアベニュー、29年にはオルティガスまで

2024/10/14

 フィリピン運輸省(DOTr)のハイメ・J・バウティスタ大臣は、10月11日、「日本支援によるフィリピン初の地下鉄プロジェクトである『マニラ首都圏地下鉄事業(第一期)』(マニラ地下鉄)は、2028年にバレンスエラ市からケソン市のノースアベニューまで部分運行が開始する見込みである」と表明した。

 更にバウティスタ大臣は、部分運行は2029年までにパシグ市のオルティガスまで延長されるであろうともコメントした。ちなみに、現在の建設進捗率は15.57%とのことである。

 マニラ地下鉄は、増加する輸送需要への対応を図り、マニラ首都圏の深刻な交通渋滞の緩和に資するとともに、大気汚染や気候変動緩和に寄与するものであり、首都圏北部バレンスエラ市とニノイ・アキノ国際空港が位置する南部パラニャーケ市を結ぶフィリピン初となる地下鉄(全17駅、内地下区間13駅、約33キロメートル)プロジェクトである。地下鉄対象区間の移動時間は、現行の自動車で約2時間から、地下鉄利用により約35分に短縮されることが見込まれている。

 日本はこのマニラ地下鉄整備支援のために第一期(供与限度額1,045億3,000万円、2018年3月署名)、第二期(供与限度額2,533億700万円、2022年2月署名)、第三期(供与限度額1,500億円、2024年3月署名)の円借款を供与しており、累計で約5,078億円(約1,886億ペソ)となる。この計画の実施により、マニラ首都圏全体における運輸・交通網の整備が進展することが期待される。