オカダ・マニラ、9カ月間の収入24%減の287億ペソに

EBITDA44%減少、比の資金洗浄対策強化が影響か

2024/10/16

 娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(UE、本社:江東区)は10月15日、フィリピンで統合型リゾート(IR)施設『オカダ・マニラ』を運営するTiger Resort, Leisure and Entertainment, Inc.(TRLEI)の2024年12月期第3四半期(7月~9月)および年初9カ月(1月~9月)の実績(速報値)を発表した。
 
 それによると、TRLEIの2024年第3四半期における総売上高は前年同期比(以下、同様)31%減の91億6,300万ペソにとどまった。そのうち、ゲーミング収入は33%減の82億3,000万ペソ、その他売上高(ホテル、飲食、小売り、エンターテインメント等)は2%増の9億3,300万ペソ。調整後EBITDAは69%減の10億9,500万ペソだった。

 年初9カ月の累計では、総売上高は24%減の287億4,900万ペソ、そのうち、ゲーミング収入は27%減の258億4,100万ペソ、その他売上高は2%増の29億0,700万ペソ。調整後EBITDAは44%減の55億7,300万ペソだった。2024年年初9カ月の合計来場者数は1%減の432万1,138人、ホテルの客室稼働率は82.9%(2023年年初9カ月81.9%)だった。

 今9カ月間の二桁減収は、比較対象となる前年同期が49%増収と非常に好調であったことの反動、競争激化、高インフレによる消費伸び悩みによるものと考えられる。また、フィリピンのマネーロンダリング(資金洗浄)対策強化策としてのカジノジャンケット(大口顧客誘致担当)の実体把握やリスク排除という動きが、大口顧客収入を減少させたようだ。下表のようにVIPテーブルゲーム収入が大幅減少している。

 TRLEIの2024年第3四半期及び累計の実績(速報値、単位:百万ペソ、1ペソ=2.55円)
期間 第3四半期 1月-9月
項目 23年 24年 伸び率 23年 24年 伸び率
ゲーミング収入 12,350 8,230 -33.4% 35,213 25,841 -26.6%
 VIPテーブルゲーム 4,424 2,465 -44.3% 13,361 7,954 -40.5%
 マステーブルゲーム 4,106 2,455 -40.2% 10,332 8,379 -18.9%
 ゲーミングマシン 3,820 3,309 -13.4% 11,521 9,508 -17.5%
その他売上高 912 933 2.3% 2,864 2,907 1.5%
   
売上高合計 13,262 9,163 -30.9% 38,077 28,749 -24.5%
減価償却費 1,398 1,456 4.1% 4,276 4,309 0.8%
調整後 EBITDA* 3,556 1,095 -69.2% 9,948 5,573 -44.0%
(出所:ユニバーサルエンターテインメント資料より作成)
その他売上高:ホテル、飲食、小売他
*調整後EBITDA=営業損益+減価償却費+その他の調整項目