東京海上、フィリピン開業/合弁60周年

23年の総収入保険料22億5千万ペソに

2024/10/31

 東京海上グループが、10月30日にマニラ首都圏マカティ市のフェアモント・マカティにおいて、フィリピン開業/ユーチェンコ財閥との提携60周年記念式典を開催した。

 東京海上としてのフィリピン進出の歴史は古く、1901年に英国系商社を総代理店として営業開始をするも、太平洋戦争敗戦により、営業停止を余儀なくされた。

 戦後、フィリピンの有力財閥であるユーチェンコ・グループと緊密な関係を構築し、1964年5月12日に同グループの中核保険会社であるマラヤン保険会社、米国系のContinental保険会社、東京海上の3社で合弁会社「パンマラヤン保険会社(Pan Malayan Insurance Corporation)」を設立、同年6月に主に日系のフィリピン進出企業を対象に保険の元受業務を開始した。出資比率はマラヤン保険会社50%、Continental保険会社20%、東京海上30%であった。

 1997年には東京海上がContinentalの持分を買い取り、東京海上マラヤン保険会社(Tokio Marine Malayan Insurance co., Inc.:TMMIC)に名称変更した。出資比率はMalayan 50%、東京海上50%となった。

 2008年にはTMMICをマラヤン保険会社に統合、マラヤン社の社内カンパニーとして、東京海上ディビジョン(Malayan Insurance Co., Inc. Tokio Marine Division)を設立、現在に至っている。マラヤン保険会社への出資比率はMICO Equity 80%、東京海上アジア(Tokio Marine Asia) 20%である。

 なお、マラヤン保険は、フィリピン損害保険業界のトップクラス企業である。下表のように保険料収入などにおいて、三井住友海上が49%出資するBPI/MSインシュアランス、損保ジャパンの合弁相手であるプルーデンシャル・ギャランティー&アシュアランス(PGA)などと首位を争っている。

 また、マラヤン社の社内カンパニーとしての東京海上ディビジョンの業績も堅調に推移しており、2023年の総収入保険料は22億5,200万ペソ、利益は1億5,400万ペソに達している。日本のビジネスコミュニティ内でさらなる成長を目指しており、この目的を達成するために、チームワークと相乗効果の企業の基本的価値を重視している。その一環として、RCBCジャパンデスクとの月例会議を設け、日本の保険ソリューションを求める潜在的なクライアントとの接続や育成を戦略的に位置づけることを目指している。

 2023年の正味収入保険料上位5社(単位:千ペソ)
順位 社名 正味収入保険料
1 マラヤン インシュアランス 4,718,717
2 パイオニア インシュアランス&シュアティ 4,437,185
3 プルーデンシャル ギャランティー&アシュアランス(PGA) 3,771,880
4 BPI/MSインシュアランス 2,838,493
5 ストロングホールド インシュアランス 2,749,544

 2023年の総収入保険料上位5社(単位:千ペソ)
順位 社名 総収入保険料
1 パイオニア インシュアランス&シュアティ 15,546,200
2 マラヤン インシュアランス 15,053,834
3 プルーデンシャル ギャランティー&アシュアランス(PGA) 11,646,505
4 BPI/MSインシュアランス 7,074,112
5 FPGインシュアランス 5,148,126

 2023年の純利益上位5社(単位:千ペソ)
順位 社名 純利益
1 パイオニア インシュアランス&シュアティ 890,433
2 マラヤン インシュアランス 600,772
3 ストロングホールド インシュアランス 516,078
4 パシフィック ユニオンインシュアランス 486,318
5 CARDパイオニア マイクロインシュアランス 429,335
(出所:上表全てフィリピン保険委員会の統計2023年速報版より作成)