11月5日に10月のインフレ率発表、中央銀行2.0%~2.8%と推定

悪天候やペソ安で若干加速も目標圏内、市場コンセンサスは2.4%

2024/11/02

 フィリピン統計庁(PSA)は、11月5日午前9時、2024年10月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。
 
 それに先立ち、フィリピン中央銀行(BSP)は、10月31日、「2024年10月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)は2.0%~2.8%の範囲内であったと予想している」と発表した。すなわち、10月の総合インフレ率は、4年4カ月ぶりの低水準であった前月(9月)の1.9%からは若干加速したが、政府のインフレ目標2%~4%の中間値(3%)以下にとどまったと見ている。
 
 BSPは、10月は台風の影響などによる野菜、果物、魚介類の値上がり、原油価格上昇にともなう国内石油製品の値上がり、ペソ対ドルレートの下落などがインフレ率を若干加速させたと見ている。また、現地有力経済紙であるビジネスワールド紙(BW紙)が先週実施したエコノミスト11名による2024年9月の総合消費者物価上昇率に関する直前予想のコンセンサス(中間値)は2.4%であり、BSP推定2.0%~2.8%の中間値と一致している。


 総合インフレ率とコアインフレ率の推移(2018年基準、平均値ベース)
 年  22年  23年  2024年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月  8月 9月  9カ月間
総合インフレ 5.8% 6.0% 2.8% 3.4% 3.7% 3.8% 3.9% 3.7% 4.4% 3.3%  1.9%  3.4%
コアインフレ 3.9% 6.6% 3.8% 3.6% 3.4% 3.2% 3.1% 3.1% 2.9% 2.6%  2.4%  3.1%
 (出所:PSA資料より作成)