9月の失業率3.7%、前年同月の4.5%から改善

失業者16.4%減の189万人、不完全就業率11.9%

2024/11/07

 フィリピン統計庁(PSA)は11月6日、2024年9月の労働力調査結果を発表した。それによると、9月の失業率は3.7%(速報値)となり、前月(4.0%)および前年同月(4.5%)から低下した。

 2024年9月の15歳以上の人口は7,880万人、労働力人口は5,177万人。労働参加率は65.7%で、前年同月(64.1%)、前月(64.8%)から上昇した。

 失業者数は前年同月比16.4%減、前月比8.5%減の189万人。失業者を年齢層でみると、15歳-24歳が全体の36.3%、25歳-34歳が35.6%と合計で全体の71.9%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は29.6%(卒業者は23.6%)、大学進学・卒業者が44.9%(卒業者は33.8%)だった。性別では、男性50.8%、女性49.2%と男性が上回っている。

 就業者数は前年同月比4.6%増、前月比1.5%減の4,987万人。業種別では、農業部門が19.9%(前年同月21.5%)、鉱工業部門が17.4%(同18.1%)、サービス部門が62.8%(同60.4%)だった。サブセクターで、年間増加数の多かった上位5業種は、管理・支援サービス活動、その他サービス業、卸小売業・自動車・オートバイ修理業、行政・防衛(社会事業)、製造業。一方、最も減少した上位5業種は、宿泊・飲食サービス業、農林業、漁業・養殖業、建設業、電気・ガス・蒸気・空調供給業だった。

 賃金・給与労働者が就業者全体の63.9%を占めた。その中で、民間企業労働者が依然最も高い割合を占め、賃金・給与労働者全体の76.6%、また就業者全体の49.0%を占めている。政府系企業社員・公務員が就業者全体の9.5%、自営・事業主は全体の29.5%を占めた。週平均労働時間は40.3時間(前年同月40.8時間)。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の67.8%(同68.0%)だった。

 一方、不完全就業者(職に就いているが調査期間中に働いていなかったり、労働時間が報告されていない就業者を含む)の数は前年同月比16.3%増、前月比8.4%増の594万人。不完全就業率は11.9%(前月11.2%、前年同月10.7%)に上昇した。なお、不完全就労者全体の52.3%が労働時間週40時間以下だった。

 フィリピン労働力調査(LFS)
項目 2023年9月 2024年8月 2024年9月
15歳以上人口(単位:千人) 77,954 79,040 78,800
労働力参加率(%) 64.1 64.8 65.7
失業率(%) 4.5 4.0 3.7
不完全就業率(%) 10.7 11.2 11.9
週平均労働時間(h) 40.8 40.7 40.3
(出所:PSA資料より作成、2023年9月以外は速報値)

 フィリピンの失業率等の比較(単位
全国 労働参加率 失業率 不完全就業率
2023年 9月 64.1 4.5 10.7
10月 63.9 4.2 11.7
11月 65.9 3.6 11.7
12月 66.6 3.1 11.9
2024年 1月 61.1 4.5 13.9
2月 64.8 3.5 12.4
3月 65.3 3.9 11.0
4月 64.1 4.0 14.6
5月 64.8 4.1 9.9
6月 66.0 3.1 12.1
7月 63.5 4.7 12.1
8月 64.8 4.0 11.2
9月 65.7 3.7 11.9
1-9月 64.5 4.0 12.1
(出所:PSA資料より作成、23年9月以外全て速報値)