40周年の比セブン-イレブン堅調、9カ月間で14%増益

9月末4,022店で業界断トツ、総売上17%増の688億ペソに

2024/11/20

 フィリピンのコンビニエンスストア(コンビニ)首位のフィリピン セブン-イレブン(比セブン-イレブン)は、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが55.322%(2024年9月末現在)を保有するフィリピン セブン社(証券コード:SEVN)によって運営されている。

 SEVNは1982年11月に設立され、1998年2月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。1984年2月にケソン市エドサ通り沿いに1号店をオープンした。すなわち、今年創業40周年を迎えたのである。
 
 SEVNの2024年9カ月間(1月~9月)の事業報告書によると、比セブン-イレブンの2024年9月末の店舗数は4,022店に達し、2023年末の3,768店から254店、率にして6.7%の純増となった。今9カ月間に279店をオープン、25店を閉鎖した。1年前の2023年9月末の3,624店からは397店、率にして11.0%の純増である。そして、コンビニ業界断トツの店舗数となっている。
 
 2024年9月末の4,022店の地域別内訳は、マニラ首都圏1,114店、首都圏以外のルソン地域1,858店、セブを中心とするビサヤ地域594店、ダバオを中心とするミンダナオ地域456店。全体では自営店が52%、フランチャイズ店が1,931店48%となっている。

 創業40周年を迎えた2024年は年間で450店を出店予定。特に、ミンダナオやビサヤ地方での出店に注力している。上記のように9カ月間で279店出店(純増数は254店)。2024年の設備投資額は45億ペソと予定している。その後も積極出店し、創業42周年の2026年央に5,000店到達を目標としている。
 
 SEVNの業績も好調に推移している。2023年は2年連続で過去最高益を大幅更新したが、2024年も堅調に推移している。2024年9カ月間のグループ総売上高は前年同期比(以下同様)16.5%増の688億ペソに達した。既存店売上高は2.7%増加した。営業収入は16.2%増の649億ペソ、営業利益は11.7%増の38億ペソ、そして純利益は13.7%増の25億7,790万ペソと二桁増収増益だった。

 フィリピン地域別のセブン-イレブン店舗数推移(単位:百万ペソ)
場所 23年末  24年9カ月純増数 24年9月末
マニラ首都圏 1,094 20 1,114
ルソン地方(首都圏除く) 1,730 128 1,858
ビサヤ地方 541 53 594
ミンダナオ地方 403 53 456
合計 3,768 254 4,022
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 
フィリピンセブン-イレブン既存店の増収率の推移
年/四半期 Q1 Q2 Q3 Q4 年間
2024 +8.7% +7.4% +2.7% - -
2023 +23.3% +11.1% +13.0%  +9.5% +13.0%
2022 +16.1% +39.2% +35.2%  +26.6% +28.8%
2021 -20.1% -5.1% +3.4% +8.5% -4.6%
2020 +2.5% -25.5% -25.2% -23.7% -18.4%
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 
フィリピンセブン-イレブン店舗数(年末値、24年は9月末値)とSEVN純利益(単位:百万ペソ)
時期 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年9月
店舗数 2,285 2,550 2,864 2,978 3,073  3,393 3,768 4,022
純利益 1,318 1,532 1,445 -420 -461 2,057 3,483 2,578
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 
主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末値、24年は四半期末値、資本的に日系はローソンのみ)
年・月 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年Q1 24年Q2 24年Q3 
セブン-イレブン 2,550 2,864 2,978 3,073  3,393 3,768  3,829 3,926 4,022 
ファミリーマート 69 76 N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A. N.A 
ローソン 38 60 64 68 100 136  149  169  184 
 (出所:各社の店舗情報などから作成)