比政府、2025年の上位中所得国入りに望み

名目GNIの4,516ドル超が必要、23年は4,230ドル

2024/12/01

 国家経済開発庁(NEDA)のアルセニオ・バリサカン長官、11月29日の記者会見において、「フィリピン政府のGDP成長率目標が達成されれば、2025年に上位中所得国(UMIC)ステータス達成の可能性がある」と表明した。

 世界銀行は、2025年度については、一人当たり名目GNI(国民総所得)が4,516ドル~14,005ドルの範囲にある国を上位中所得国と定義。7月1日に発表された世界銀行のデータによると、2023年のフィリピンの一人当たりGNは4,230ドルに達し、2023年の3,950ドルから7.1%増加した。そして、フィリピン開発計画(PDP)で設定された3,130ドル~4,203ドルの範囲を上回った。

 バリサカン長官は、2025年に上位中所得国のステータスを達成するために、「2024年の成長率目標を達成し、2025年に成長軌道を維持する必要がある。また、フィリピンペソが急落しないことが必要だ」とも指摘した。

 ちなみに、2024年のGDP成長率目標は6%~7%、2025年は6.5%~7.5%と設定されている。政府関係者はこの目標は達成可能としているが、民間エコノミスト、国際機関、格付機関などの多くはこの目標達成は難しいと見ている。なお、2024年9カ月間のGDP成長率は5.8%であった。

 フィリピンのGDP実質成長率の推移と目標(2018年基準、単位:%)
16 17 18 19 20 21 22 23 24目標 25目標 26~28目標
伸び率 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 7.6 5.5 6.0~7.0 6.5~7.5 6.5~8.0
(出所:DBCC資料より作成、目標は2024年6月27日のDBCC設定数値)