10月の失業率3.9%、前年同月の4.2%から改善

失業者5.9%減の197万人、不完全就業率12.6%

2024/12/09

 フィリピン統計庁(PSA)は12月6日、2024年10月の労働力調査結果を発表した。それによると、10月の失業率は3.9%(速報値)となり、前年同月(4.2%)および2024年7月(4.7%)から改善したが、前月(3.7%)からは上昇した。

 2024年10月の15歳以上の人口は7,922万人、労働力人口は5,012万人。労働参加率は63.3%で、前年同月(63.9%)、2024年7月(63.5%)、9月(65.7%)から低下した。2024年10月の失業者数は197万人で、前年同月(209万人)を5.9%下回った。2024年9月(189万人)からは3.8%増加した。

 失業者を年齢層でみると、15歳-24歳が全体の40.1%、25歳-34歳が32.1%と合計で全体の72.2%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は30.7%(卒業者は22.7%)、大学進学・卒業者が43.1%(卒業者は33.2%)だった。性別では、男性58.6%、女性41.4%と男性が上回っている。

 就業者数は前年同月比0.8%増の4,816万人。業種別では、農業部門が21.2%(前年同月22.1%)、鉱工業部門が17.9%(同17.8%)、サービス部門が61.0%(同60.1%)だった。サブセクターで、年間増加数の多かった上位5業種は、管理・支援サービス活動、宿泊・飲食サービス業、輸送・倉庫業、建設業、鉱業・採石業。一方、最も減少した上位5業種は、漁業・養殖業、卸小売業・自動車・オートバイ修理業、農林業、製造業、その他サービス業だった。

 賃金・給与労働者が就業者全体の63.8%を占めた。その中で、民間企業労働者が依然最も高い割合を占め、賃金・給与労働者全体の78.2%、また就業者全体の49.9%を占めている。政府系企業社員・公務員が就業者全体の9.3%、自営・事業主は全体の30.3%を占めた。週平均労働時間は41.0時間(前年同月41.2時間)。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の69.0%(同68.7%)だった。

 一方、不完全就業者(職に就いているが調査期間中に働いていなかったり、労働時間が報告されていない就業者を含む)の数は前年同月比8.7%増の608万人。不完全就業率は12.6%(前年同月11.7%)に上昇した。なお、不完全就労者全体の55.3%が労働時間週40時間以下だった。

 
フィリピン労働力調査(LFS)
項目 23年10月 24年7月 24年9月 24年10月
15歳以上人口(単位:千人) 77,999 78,894 78,800 79,221
労働力参加率(%) 63.9 63.5 65.7 63.3
失業率(%) 4.2 4.7 3.7 3.9
不完全就業率(%) 11.7 12.1 11.9 12.6
週平均労働時間(h) 41.2 41.1 40.3 41.0
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、2023年10月以外は速報値)

 
フィリピンの失業率等の比較(単位:%)
全国 労働参加率 失業率 不完全就業率
2019年 61.3 5.1 13.8
2020年 59.5 10.3 16.2
2021年 63.3 7.8 15.9
2022年 64.7 5.4 14.2
2023年 64.9 4.4 12.3
 
2023年10月 63.9 4.2 11.7
11月 65.9 3.6 11.7
12月 66.6 3.1 11.9
2024年 1月 61.1 4.5 13.9
2月 64.8 3.5 12.4
3月 65.3 3.9 11.0
4月 64.1 4.0 14.6
5月 64.8 4.1 9.9
6月 66.0 3.1 12.1
7月 63.5 4.7 12.1
8月 64.8 4.0 11.2
9月 65.7 3.7 11.9
10月 63.3 3.9 12.6
1-10月 64.3 4.0 12.1
(出所:PSA資料より作成、23年11月から全て速報値)