銀行業界の不良債権比率、28カ月ぶり高水準に

10月末3.60%、前月末3.47%や前年同月末3.44%から悪化

2024/12/12

 フィリピン中央銀行(BSP)の12月10日時点のデータによると、2024年10月末のフィリピン銀行業界の総融資残高は前月末比2.4%減の14兆5,496億ペソだった。

 それに占める総不良債権(元利回収遅延債権、NPL)比率は3.60%で、前月末の3.47%、前年同月末の3.44%から上昇した。そして、2022年6月の3.60%以来、28カ月ぶりの高水準となった。また、不良債権(NPL)貸倒引当率は92.98%で、前月末の93.31%、前年同月末の102.66%から低下した。

 総資産に占める不良資産(NPA、元利回収遅延融資+担保権行使による取得不動産等)比率は2.47%で、前月末(2.41%)および前年同月末(2.37%)から上昇。一方、不良資産(NPA)貸倒引当率は79.18%で前月末(79.37%)および前年同月末(85.71%)から低下した。

 フィリピン銀行業界の不良債権・不良資産比率(月末値、単位:%)
項目 23年10月 24年9月 24年10月
総融資に占める総不良債権(NPL)比率 3.44 3.47 3.60
NPL貸倒引当比率 102.66 93.31 92.98
総融資残高(TLP)貸倒引当比率 3.53 3.24 3.35
総資産に占める不良資産(NPA)比率 2.37 2.41 2.47
不良資産(NPA)貸倒引当比率 85.71 79.37 79.18
(出所:BSP資料より作成、24年10月は速報値)

 
フィリピン銀行業界の対リスク資産自己資本比率(CAR、単独ベース、単位:%)
2022年 2023年 2024年
3月末 6月末 9月末 12月末 3月末 6月末 9月末 12月末 3月末 6月末 9月末
16.47 16.17 15.84 15.66 16.01 16.47 16.67 16.57 16.29 16.08 16.44
(出所:BSP資料より作成)