24年第3四半期の住宅価格2.3%低下、約3年ぶりの下落
コンドミニアム9.4%低下、戸建ては2.9%上昇:中央銀行調査
2025/01/03
フィリピン中央銀行(BSP)は12月27日、2024年第3四半期(7月~9月)の住宅の不動産価格指数(RREPI)を発表した。
[2024年第3四半期の住宅不動産価格指数(RREPI)の動向]
RREPIデータに基づくと、当第3四半期の全国の新築住宅の不動産価格は前年同期比で2.3%低下した。また、前期比では1.6%低下した。前年同期比での低下は、2021年第2四半期の9.4%低下以来、約3年ぶりのことである。
地域別では、首都圏(NCR)が前年同期比14.6%低下、2四半期連続で前年同期を下回った。主に一戸建て住宅、二戸連棟住宅、コンドミニアム(マンション)の価格下落による。前期比では3.7%の低下だった。首都圏外の地域(地方、AONCR)は前年同期比3.0%上昇したが、前期比では1.0%の低下となった。
全国の住宅タイプ別不動産価格の上昇率は、一戸建て(2.9%)、二戸連棟住宅(-48.1%)、タウンハウス(0.7%)、コンドミニアム(-9.4%)。二戸連棟住宅とコンドミニアムの価格が前年同期から下落した一方で、一戸建ておよびタウンハウスの価格は上昇した。
フィリピン住宅不動産価格指数の上昇率推移 (2014年第1四半期=100)
(出所:BSP資料より作成、全て改訂値)
注:二戸連棟住宅の価格指数は報告された不動産融資件数が比較的少ないため、変動的であり、上昇率が不明確・不確定の場合は明記されない( - 表示)。アパートに関する指数は無。
[2024年第3四半期の住宅ローン(RREL)の概要]
全国レベルでの当期の新築住宅不動産融資(住宅ローン)利用件数は前年同期比15.7%減の6,626件だった。地域別では、首都圏が20.3%減の2,285件(シェア34.5%)、地方が13.0%減の4,341件(シェア65.5%)だった。
新築住宅ローン件数の変化
(出所:BSP資料より作成)
全国の新築住宅種類別ローン利用件数は、コンドミニアムが前年同期比13.2%減の3,007件で住宅ローン利用全体の45.4%を占め、次いで、一戸建住宅が24.5%減の2,242件(シェア33.8%)、タウンハウスが0.7%減の1,367件(シェア20.6%)、二戸連棟住宅(デュプレックス)が76.7%減の10件(シェア0.2%)と続いている。
全国の新築住宅の1平米(1㎡)当たり平均評価額は前年同期比6.2%減の8万6,417ペソ。前期比では3.2%増加した。首都圏では、1平米当たり平均評価額は前年同期比13.7%減、前期比3.6%減の13万5,076ペソ。地方では前年同期比10.1%増、前期比3.5%増の6万0,804ペソだった。
[中央銀行の住宅の不動産価格指数(RREPI)について]
RREPIは、新築住宅(中古物件や差し押さえ物件を除く)取得に付与された実際の住宅ローンに関する銀行のデータに基づいて、戸建て住宅、二戸連棟住宅、タウンハウス、コンドミニアムなど様々なタイプの住宅価格の平均変動を測定したものである。1平米当たり平均評価額を使用して計算された連鎖指数方式である。国内の不動産市場や金融市場の動向を分析・把握する上で有益な指標として使用される。
BSPは、2015年11月16日の回覧892号で、国内全ての商業銀行(拡大商業銀行含)、貯蓄銀行に住宅融資に関する四半期報告書の提出を義務付け、2016年6月から新築住宅の不動産価格指数の公表を開始した。これは、2022年9月14日付BSP回覧第1154号によって補足され、国内のすべてのデジタル銀行(DB)に同様の報告書のBSPへの提出が義務付けられた。
[2024年第3四半期の住宅不動産価格指数(RREPI)の動向]
RREPIデータに基づくと、当第3四半期の全国の新築住宅の不動産価格は前年同期比で2.3%低下した。また、前期比では1.6%低下した。前年同期比での低下は、2021年第2四半期の9.4%低下以来、約3年ぶりのことである。
地域別では、首都圏(NCR)が前年同期比14.6%低下、2四半期連続で前年同期を下回った。主に一戸建て住宅、二戸連棟住宅、コンドミニアム(マンション)の価格下落による。前期比では3.7%の低下だった。首都圏外の地域(地方、AONCR)は前年同期比3.0%上昇したが、前期比では1.0%の低下となった。
全国の住宅タイプ別不動産価格の上昇率は、一戸建て(2.9%)、二戸連棟住宅(-48.1%)、タウンハウス(0.7%)、コンドミニアム(-9.4%)。二戸連棟住宅とコンドミニアムの価格が前年同期から下落した一方で、一戸建ておよびタウンハウスの価格は上昇した。
フィリピン住宅不動産価格指数の上昇率推移 (2014年第1四半期=100)
年・時期 | 22年 | 23年 | 24年 | ||||||
Q3 | Q4 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | Q1 | Q2 | Q3 | |
全国 | |||||||||
前年同期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 6.5 | 7.7 | 10.2 | 14.1 | 12.9 | 6.5 | 6.1 | 2.7 | -2.3 |
一戸建住宅 | 9.8 | 10.0 | 17.0 | 18.3 | 16.8 | 9.5 | 5.1 | 1.7 | 2.9 |
二戸連棟住宅 | 26.7 | 42.9 | 22.1 | 24.6 | 57.7 | -33.5 | 36.2 | 27.1 | -48.1 |
タウンハウス | -16.3 | -6.8 | 1.8 | 14.7 | 9.3 | 4.9 | 5.6 | -0.8 | 0.7 |
コンドミニアム | 19.2 | 12.9 | 1.2 | 5.0 | 8.3 | 4.1 | 10.2 | 10.6 | -9.4 |
前期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 4.6 | 2.2 | 1.4 | 5.3 | 3.4 | -3.6 | 1.1 | 1.8 | -1.6 |
一戸建住宅 | 2.7 | 3.2 | 4.7 | 6.7 | 1.4 | -3.3 | 0.4 | 3.2 | 2.6 |
二戸連棟住宅 | 3.4 | 37.6 | -16.4 | 4.8 | 30.8 | -42.0 | 71.2 | -2.3 | -46.6 |
タウンハウス | -2.1 | 8.9 | 3.8 | 3.7 | -6.7 | 4.5 | 4.4 | -2.6 | -5.3 |
コンドミニアム | 12.0 | -4.9 | -5.1 | 3.8 | 15.6 | -8.6 | 0.5 | 4.2 | -5.3 |
首都圏(NCR) | |||||||||
前年同期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 17.5 | 16.1 | 7.3 | 15.4 | 12.3 | 4.3 | 2.8 | -1.0 | -14.6 |
一戸建住宅 | 17.9 | 18.0 | 26.2 | 54.1 | 29.6 | 12.4 | -14.6 | -37.2 | -22.9 |
二戸連棟住宅 | - | 25.9 | 70.8 | - | - | - | - | - | -37.6 |
タウンハウス | -7.8 | 8.5 | 13.1 | 21.3 | 0.4 | 18.7 | 16.7 | 13.0 | 13.9 |
コンドミニアム | 24.0 | 15.9 | -0.8 | 3.7 | 8.6 | -0.3 | 7.6 | 10.9 | -14.3 |
前期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 14.6 | -2.4 | -4.3 | 7.7 | 11.5 | -9.4 | -5.6 | 3.8 | -3.7 |
一戸建住宅 | 17.1 | 4.1 | 0.9 | 25.3 | -1.5 | -9.7 | -23.4 | -7.8 | 20.8 |
二戸連棟住宅 | - | - | -19.4 | - | - | - | - | - | - |
タウンハウス | 7.9 | 4.1 | 0.6 | 7.3 | -10.6 | 23.0 | -1.1 | 4.0 | -9.9 |
コンドミニアム | 15.5 | -6.9 | -7.1 | 3.7 | 21.0 | -14.5 | 0.3 | 6.9 | -6.5 |
地方 | |||||||||
前年同期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | 2.3 | 4.5 | 11.4 | 13.8 | 14.3 | 7.8 | 7.4 | 4.2 | 3.0 |
一戸建住宅 | 8.5 | 8.8 | 15.6 | 14.7 | 15.7 | 9.3 | 8.1 | 7.4 | 6.7 |
二戸連棟住宅 | 29.4 | 46.4 | 19.4 | 24.5 | 54.5 | -37.9 | 26.6 | 17.9 | -51.5 |
タウンハウス | -20.2 | -12.1 | -2.7 | 11.8 | 12.3 | 1.9 | 2.8 | -3.8 | -2.3 |
コンドミニアム | 5.6 | 3.9 | 6.6 | 8.6 | 8.7 | 14.0 | 13.5 | 7.0 | 3.6 |
前期比上昇率(%) | |||||||||
全住宅 | -0.4 | 4.8 | 4.4 | 4.4 | 0.1 | -1.2 | 4.1 | 1.2 | -1.0 |
一戸建住宅 | 0.8 | 3.1 | 5.1 | 5.0 | 1.7 | -2.6 | 3.8 | 4.4 | 1.1 |
二戸連棟住宅 | 3.4 | 36.6 | -16.1 | 5.0 | 28.3 | -45.1 | 71.2 | -2.3 | -47.3 |
タウンハウス | -6.1 | 10.7 | 4.6 | 2.8 | -5.6 | 0.4 | 5.5 | -3.8 | -4.1 |
コンドミニアム | 1.0 | 2.2 | 1.1 | 4.1 | 1.0 | 7.2 | 0.7 | -1.9 | -2.1 |
注:二戸連棟住宅の価格指数は報告された不動産融資件数が比較的少ないため、変動的であり、上昇率が不明確・不確定の場合は明記されない( - 表示)。アパートに関する指数は無。
[2024年第3四半期の住宅ローン(RREL)の概要]
全国レベルでの当期の新築住宅不動産融資(住宅ローン)利用件数は前年同期比15.7%減の6,626件だった。地域別では、首都圏が20.3%減の2,285件(シェア34.5%)、地方が13.0%減の4,341件(シェア65.5%)だった。
新築住宅ローン件数の変化
地域 | 年間増減率(%) | 前期比増減率(%) | ||||
23年Q3 | 24年Q2 | 24年Q3 | 23年Q3 | 24年Q2 | 24年Q3 | |
全国 | -1.8 | -3.5 | -15.7 | 18.0 | -15.1 | 3.1 |
首都圏 | -11.9 | -9.2 | -20.3 | 31.9 | -11.5 | 15.8 |
地方 | 5.1 | -0.8 | -13.0 | 11.3 | -16.6 | -2.4 |
全国の新築住宅種類別ローン利用件数は、コンドミニアムが前年同期比13.2%減の3,007件で住宅ローン利用全体の45.4%を占め、次いで、一戸建住宅が24.5%減の2,242件(シェア33.8%)、タウンハウスが0.7%減の1,367件(シェア20.6%)、二戸連棟住宅(デュプレックス)が76.7%減の10件(シェア0.2%)と続いている。
全国の新築住宅の1平米(1㎡)当たり平均評価額は前年同期比6.2%減の8万6,417ペソ。前期比では3.2%増加した。首都圏では、1平米当たり平均評価額は前年同期比13.7%減、前期比3.6%減の13万5,076ペソ。地方では前年同期比10.1%増、前期比3.5%増の6万0,804ペソだった。
[中央銀行の住宅の不動産価格指数(RREPI)について]
RREPIは、新築住宅(中古物件や差し押さえ物件を除く)取得に付与された実際の住宅ローンに関する銀行のデータに基づいて、戸建て住宅、二戸連棟住宅、タウンハウス、コンドミニアムなど様々なタイプの住宅価格の平均変動を測定したものである。1平米当たり平均評価額を使用して計算された連鎖指数方式である。国内の不動産市場や金融市場の動向を分析・把握する上で有益な指標として使用される。
BSPは、2015年11月16日の回覧892号で、国内全ての商業銀行(拡大商業銀行含)、貯蓄銀行に住宅融資に関する四半期報告書の提出を義務付け、2016年6月から新築住宅の不動産価格指数の公表を開始した。これは、2022年9月14日付BSP回覧第1154号によって補足され、国内のすべてのデジタル銀行(DB)に同様の報告書のBSPへの提出が義務付けられた。