パナソニック現法PMPC、9か月間の純利益6倍に

売上20%増の121億ペソ、創業62周年、PSE上場42周年

2025/02/18

 フィリピン証券取引所(PSE)に上場しているパナソニックのフィリピン製造拠点であるパナソニック マニュファクチャリング フィリピン(証券コード:PMPC、会計期末3月)は、2月17日、2024年度9カ月間(2024年4月~12月)の事業報告書を開示した。

 それによると、2024年度9カ月間の売上高は前年度同期比(以下同様)20.3%増の120億9,398万ペソ。エアコンや冷蔵庫の売り上げが好調であったこと、販売店がクリスマスシーズンに向けて在庫積み増しを積極化させたことなどで二桁増収となった。

 製造コストは19.4%増加したが増収率を下回ったことで、粗利益は25.3%増の18億6,851万ペソに達した。一般管理費が7.8%増加、販売費が28.3%増加したが、金利収入や火災事故に関する保険金の部分的な受領等その他収入が3.4倍の2億5,143万ペソへと急増したこともあって、税引き前利益は210.8%増(約3.1倍)の5億1,767万ペソと大幅増加した。法人税費用は、PEZA登録プロジェクトの売上比率達成に伴い特別税率が適用されたことで21%減の7,153万ペソに軽減された。これらの結果、純利益は487.6%増(約5.9倍)の4億4,610万ペソへと急増した。

 PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)であり、まもなく創業62周年を迎える。FMCは、1965年、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ・エレクトリック・フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。

 1983年1月には、フィリピン証券取引所(PSE)に上場された。すなわち、今年1月に上場42周年を迎えた。現在、PMPCは額面1ペソの普通株式を約4億2,272万株発行している。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株約8,472万株が上場されている。2025年2月17日の終値は5.30ペソであった。浮動株比率は14.93%、日本のパソニック本社のPMPC保有比率は2024年12月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。

 表1.パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピン9カ月間の業績比較(単位:万ペソ)
項目  2021年度 2022年度  2023年度   2024年度  24年度伸び率
売上高 954,044 1,082,785  1,005,694 1,209,398 20.3%
粗利益 219,513 130,147   149,157 186,851 25.3%
税引前利益 21,820 2,303   16,654  51,767 210.8%
所得税費用 8,455 4,233   9,062 7,157 -21.0%
純利益  13,365 -1,930  7,592 44,610 487.6%

 (出所:PMPC事業報告書より作成)

 表2.パナソニック マニュファクチャリング フィリピン年間業績推移(単位:万ペソ、21年度以降は修正値)

項目 2020年度 2021年度 2022年度  2023年度 2023年度増減率 
売上高 1,088,310 1,259,053 1,517,832  1,425,125 -6.1% 
粗利益 256,628 250,411 253,339 269,559 6.4% 
税引前利益 47,865 20,184 25,589 33,642 31.5%
所得税費用 12,063 7,793 5,876 6,392 8.8%
純利益 35,802 12,392 19,713  27,250 38.2%

(出所:PMPCの年次報告書などより作成)