フィリピン、資金洗浄監視国(グレーリスト)からの除外実現
ベトナムやラオス等25カ国グレー、北朝鮮やイラン等ブラックリスト
2025/02/23
国際的な資金洗浄を防止するための金融活動作業部会(FATF=本部パリ)は、2月17日~21日パリにおいて、2025年1回目の総会を開催した。フィリピンからは中央銀行(BSP)のレモロナ総裁などが出席した。
今回のFATF総会においては、フィリピンの資金洗浄に関する強化モニタリング対象国・地域リスト(グレーリスト)からの除外が決定された。FATFは、フィリピンのマネーロンダリング防止(AML)やテロ資金供与防止(CFT)対策改善が著しく改善したと評価した。そして、FATFが2021年に指摘したAMLやCFT対策の戦略的欠陥を改善するための具体的行動計画がほぼ履行されたとして、2021年6月から約4年間続いたフィリピンのグレーリストからの除外を決定した。
FATFに指摘されフィリピンが強化してきた具体的AML/CFT対策強化とは、1.DNFBP(指定非金融業者・職業専門家)やカジノのジャンケット(大口顧客誘致担当)の実体把握やリスク排除、2.MVTS(送金サービス)に関する新たな登録要件を実施し未登録かつ違法な送金事業者に対する制裁適用、3.テロ資金供与事件の特定、調査および起訴の拡大、大量破壊兵器拡散資金供与に対する金融制裁の枠組みの有効性強化、4.正当なNPO活動を妨げることなく未登録NPOを含むNPOセクターに対する適切な措置、5.すべての主要な海上/空港に対する国境措置の適用と通貨の虚偽宣言の摘発と没収措置などである。
FATFは2025年2月、フィリピンの対策進展を確認するための現地訪問を実施した。現地訪問では、専門家グループがフィリピンを訪問、進展度を確認し、グレーリストから外すかどうかを判断した。最近のフィリピン政府による海外向けオンラインギャンブル運営業者(POGO)の全面禁止措置も評価された可能性がある。
なお、FATFの強化モニタリング対象国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制における戦略上の欠陥に対処するためにFATFと活発に協働する。FATFがある国や地域を強化モニタリング対象に据えることは、その国・地域が、特定された戦略上の欠陥を合意した期間内に迅速に解決することにコミットし、強化モニタリング対象に服することを意味する。この強化モニタリング対象リストは対外的にグレーリストとも呼ばれる。
今回の総会でのグレーリスト指定国・地域は、アルジェリア、アンゴラ、ブルガリア、ブルキナファソ、カメルーン、コートジボアール、クロアチア、コンゴ民主共和国、ハイチ、ケニア、ラオス、レバノン、マリ、モナコ、モザンビーク、ナミビア、ネパール、ナイジェリア、南アフリカ、南スーダン、シリア、タンザニア、ベネズエラ、ベトナム、イエメンの25カ国。前回(2024年10月)の総会時のグレーリストからフィリピンが除外され、ラオスとネパールが追加された。
グレーリスト指定国より更なる厳しい監視対象である行動要請対象の高リスク国・地域(ブラックリスト)には、北朝鮮、イラン、ミャンマーが継続指定されている。高リスク国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制に重大な戦略上の欠陥を有するとされている。高リスクと特定された国に関して、FATFは、強化された顧客管理を適用することを加盟国に要請し、かつ全ての国・地域に強く求める。そして、極めて深刻な場合には、各国・地域は、高リスク国・地域から生じる資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融のリスクから国際金融システムを保護するため、対抗措置の適用を要請される。北朝鮮とイランが対抗措置要請の適用対象国である。ミャンマーは、強化された顧客管理適用要請の対象国であるが、2025年6月までに進捗が見られなければ、FATFは対抗措置の適用を検討する予定。
フィリピンは2004年まで、資金洗浄防止非協力国家と位置づけられ監視対象リストに据え置かれていた。フィリピンは、このリスト指定解除を実現するため資金洗浄防止法強化などの努力を続けてきた。そして、2005年2月のFATF年次総会でリストから除外されたという経緯がある。しかし、不正送金問題などにより2021年6月にグレーリスト入り、それ以降、約4年間のグレーリスト指定が続いてきていた。
FATFは資金洗浄への高まる懸念に応えて、1989年フランスの首都パリで開催されたG-7サミット(先進7カ国首脳会談)において設立された組織であり、OECD加盟国などで構成される。各国の資金洗浄やテロ資金供与に関する問題点を指摘、監視国・地域指定・公表等を行うと共に、改善策推進を要求してきている。
今回のFATF総会においては、フィリピンの資金洗浄に関する強化モニタリング対象国・地域リスト(グレーリスト)からの除外が決定された。FATFは、フィリピンのマネーロンダリング防止(AML)やテロ資金供与防止(CFT)対策改善が著しく改善したと評価した。そして、FATFが2021年に指摘したAMLやCFT対策の戦略的欠陥を改善するための具体的行動計画がほぼ履行されたとして、2021年6月から約4年間続いたフィリピンのグレーリストからの除外を決定した。
FATFに指摘されフィリピンが強化してきた具体的AML/CFT対策強化とは、1.DNFBP(指定非金融業者・職業専門家)やカジノのジャンケット(大口顧客誘致担当)の実体把握やリスク排除、2.MVTS(送金サービス)に関する新たな登録要件を実施し未登録かつ違法な送金事業者に対する制裁適用、3.テロ資金供与事件の特定、調査および起訴の拡大、大量破壊兵器拡散資金供与に対する金融制裁の枠組みの有効性強化、4.正当なNPO活動を妨げることなく未登録NPOを含むNPOセクターに対する適切な措置、5.すべての主要な海上/空港に対する国境措置の適用と通貨の虚偽宣言の摘発と没収措置などである。
FATFは2025年2月、フィリピンの対策進展を確認するための現地訪問を実施した。現地訪問では、専門家グループがフィリピンを訪問、進展度を確認し、グレーリストから外すかどうかを判断した。最近のフィリピン政府による海外向けオンラインギャンブル運営業者(POGO)の全面禁止措置も評価された可能性がある。
なお、FATFの強化モニタリング対象国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制における戦略上の欠陥に対処するためにFATFと活発に協働する。FATFがある国や地域を強化モニタリング対象に据えることは、その国・地域が、特定された戦略上の欠陥を合意した期間内に迅速に解決することにコミットし、強化モニタリング対象に服することを意味する。この強化モニタリング対象リストは対外的にグレーリストとも呼ばれる。
今回の総会でのグレーリスト指定国・地域は、アルジェリア、アンゴラ、ブルガリア、ブルキナファソ、カメルーン、コートジボアール、クロアチア、コンゴ民主共和国、ハイチ、ケニア、ラオス、レバノン、マリ、モナコ、モザンビーク、ナミビア、ネパール、ナイジェリア、南アフリカ、南スーダン、シリア、タンザニア、ベネズエラ、ベトナム、イエメンの25カ国。前回(2024年10月)の総会時のグレーリストからフィリピンが除外され、ラオスとネパールが追加された。
グレーリスト指定国より更なる厳しい監視対象である行動要請対象の高リスク国・地域(ブラックリスト)には、北朝鮮、イラン、ミャンマーが継続指定されている。高リスク国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制に重大な戦略上の欠陥を有するとされている。高リスクと特定された国に関して、FATFは、強化された顧客管理を適用することを加盟国に要請し、かつ全ての国・地域に強く求める。そして、極めて深刻な場合には、各国・地域は、高リスク国・地域から生じる資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融のリスクから国際金融システムを保護するため、対抗措置の適用を要請される。北朝鮮とイランが対抗措置要請の適用対象国である。ミャンマーは、強化された顧客管理適用要請の対象国であるが、2025年6月までに進捗が見られなければ、FATFは対抗措置の適用を検討する予定。
フィリピンは2004年まで、資金洗浄防止非協力国家と位置づけられ監視対象リストに据え置かれていた。フィリピンは、このリスト指定解除を実現するため資金洗浄防止法強化などの努力を続けてきた。そして、2005年2月のFATF年次総会でリストから除外されたという経緯がある。しかし、不正送金問題などにより2021年6月にグレーリスト入り、それ以降、約4年間のグレーリスト指定が続いてきていた。
FATFは資金洗浄への高まる懸念に応えて、1989年フランスの首都パリで開催されたG-7サミット(先進7カ国首脳会談)において設立された組織であり、OECD加盟国などで構成される。各国の資金洗浄やテロ資金供与に関する問題点を指摘、監視国・地域指定・公表等を行うと共に、改善策推進を要求してきている。
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